立憲民主党 (ロシア)

立憲民主党 (ロシア), by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=374599 / CC BY SA 3.0

#ロシア革命
#帝政ロシアの政党
#自由主義の政党
#1905年設立の政党・政治団体
#1921年廃止の政党・政治団体
立憲民主党(りっけんみんしゅとう、ロシア語: Конституционно‐демократическая партия‎, ラテン文字転写: Konstitutsionno‐demokraticheskaya partiya)は、かつて存在したロシアの自由主義政党。
ロシア帝国末期の国会において有力政党として種々の改革を要求し、二月革命後の臨時政府では政権を担った。
略称はカデット(каде́ты)であり、これは頭文字をとったものである。
また、「人民自由党」(Па́ртия Наро́дной Свобо́ды)とも称した。
「教授の党」(профессорская партия)とも呼ばれたように、大学教授や弁護士、貴族などを中心とした知識人の政党だった。
1905年の第一次ロシア革命に際して歴史学者パーヴェル・ミリュコーフを指導者として設立された。
その基本的な目標は議会政治と立憲君主制の実現であった。
1906年にロシア帝国初となる国会選挙が行われると、多数の議席を獲得し、カデットは第一党となっている。
その後、政府から弾圧されて勢力も後退し、党内では主流派と「道標派」が対立した。
しかし、第4国会の超党派連合「進歩ブロック」においては主導権を握ることに成功し、帝政政府に対する批判的姿勢を強めた。
1917年の二月革命後には、第一次臨時政府の中心となっている。
第一次臨時政府の崩壊後は、社会主義政党との連立政権をつくったが、この政府は絶えず危機にさらされた。
そして、最終的に十月革命によってカデットは政権与党としての立場を失った。
その後、ボリシェビキ政権に弾圧され、ロシア内戦では白軍側に立って対抗するも、党幹部たちは西欧への亡命を余儀なくされた。
そして、最終的に党の路線をめぐって分裂し、1921年に解党した。
「超階級」的な立場を標榜したこの党は、労働者の権利保障、女性参政権の実現、ユダヤ人差別の廃止など、当時のロシアにおいてはかなり先進的な内容の政策を掲げていた。
体制に対して非妥協的な政党だったとも逆に「反革命的」な政党だったとも評されるが、いずれにせよ、カデットの構想は、当時のロシアの現実に適さない面があったと考えられている。
なお、特に断りがないかぎり、以下の記述の日付はすべてユリウス暦による。
党首パーヴェル・ミリュコーフ ロシア帝国末期になると、皇帝専制体制のもとで急激な経済成長が進められる一方で、経済成長によって生じた問題への不満から大衆運動が活発化した。
こうしたなか、地主貴族を含む地方議員や中産階級の専門職層からなる自由主義知識人たちの政治的結集が進む。
1903年7月に政治団体「解放同盟」が結成されると、パーヴェル・ミリュコーフら自由主義知識人はこの団体のもとで憲法制定や皇帝専制打倒を訴える政治運動を行った。
1905年に第一次ロシア革命が起き、皇帝ニコライ2世は国家ドゥーマ(国会)を設置することを同年2月18日の勅書において約束した。
これを受けて、ロシアの自由主義勢力のあいだでは、将来の国会開設に備えて政党の結成の動きが加速化する。
しかし、国会が立法権を持たない単なる諮問機関となることが明らかになると、自由主義勢力の多数がこれに反発した。
専門職業家同盟(大学教授や医師などの職業団体の連合体)も国会選挙のボイコットを決定した。
しかし、ミリュコーフは専門職業家同盟の議長であったが、国会を政治闘争の手段として利用できると考えて選挙ボイコットに反対し、専門職業家同盟を脱退して独自に政党結成を模索することとなった。
また立憲派の地方議員を中心とする「ゼムストヴォ・市会議員大会」も国会の内部からの民主化を目指し、選挙に参加することを決めた。
こうしてミリュコーフを事実上の指導者として、解放同盟とゼムストヴォ立憲派同盟が統合し、立憲民主党(カデット)が結成された。
そして、同年10月12日から18日にかけて結党大会が行われた。
この大会のさなかの10月17日、国会の立法権などを認める十月詔書が発布されている。
しかし、ケレンスキーの回想によれば、カデットはこの十月詔書を不十分なものだとして拒絶しており、ミリュコーフも「何も変わっていない。戦いは続く」と演説した。
こうした急進的な自由主義者で形成されたカデットに対し、より穏健的な自由主義者は政党「10月17日同盟」(十月党、オクチャブリスト)を…

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