ミセスワタナベ

ミセスワタナベ, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=2190664 / CC BY SA 3.0

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ミセス・ワタナベ(Mrs. Watanabe)、キモノ・トレーダー(Kimono Trader)は、個人の小口外国為替証拠金取引(FX取引)投資家を意味する俗称。
語源は日本人の主婦を中心とした女性やサラリーマン投資家。
欧米の報道機関により名付けられた。
「ミセス」と呼ばれるが、殆どが男性である(2019年現在8割)。
2007年頃から、東京のインターバンク市場において、為替相場の方向性が、午前から昼をはさんで午後にかけて、反対方向(主にドル買い)へ振れる奇妙な現象がしばしば見られた。
それは、相場を反転させる大きなニュースや特別な要因がないにもかかわらず、である。
こうした状況が頻繁に起こったため、その原因を探っていくと、主に日本の主婦やサラリーマンなどの個人のFX投資家が、昼休みを利用して一斉に「円売り・ドル買い」の注文を出していたことが判明した。
つまり、日本の個人投資家が為替相場を左右させるほど大きな影響力を持つことを世界に見せつけたのである。
イギリスの経済紙『エコノミスト』(1997年3月27日号)は、海外でよく知られた日本の姓「ワタナベ」をとって、為替市場(FX市場)で大きな影響をもつ日本の個人投資家たちを「ミセス・ワタナベ」と名付けた。
イギリスではリスクを取らない小口個人投資家を「アガサおばさん」(Aunt Agathas)と呼ぶので、同紙は日本向けの呼称を考案したのである。
2000年から2006年までの間にFX取引で約4億円の利益を得たのに、それを申告せずに、約1億3900万円を脱税した個人投資家の池辺雪子(東京都世田谷区の50代主婦)が所得税法違反容疑で、2007年に起訴されて有罪判決が言い渡される事件が報道されると、FX取引は日本で大きな注目を集めた。
そして、2007年以降、為替市場におけるミセス・ワタナベのFX取引はますます活発化した。
ミセス・ワタナベはマーケットを動かす大きな力として世界の市場参加者の間で広く認識され、大口のプロ・ディーラーでさえ、そのミセス・ワタナベの動向を侮れない存在とみている。
相場の取引が薄くなり少ない注文でドルが下落する(円高になる)時間帯を狙い、ストップロス(損切り)を狙う動きをミセス・ワタナベ狩りという名称まで出てきた。
2011年3月17日、円相場が一時1ドル76円台に高騰した円高ドル安の局面では、投機筋にミセス・ワタナベ狩りと言われた。
相場はミセス・ワタナベの思惑と逆を行き、ミセス・ワタナベのドル売り・円買いが、逆にドル高・円安を必要以上に進行させることも懸念されている。
2015年のドル高局面では、ドルの無謀な空売りを行ったミセス・ワタナベが踏み台にされたため、ドルはさらに上昇したという解釈もなされている。
ミセス・ワタナベは一定レベルのストップロス(損切り)オーダーをあらかじめ設置せずに、相場に振り回され成り行きで損切り決済をする傾向にあり、市場で「カモ」にされている。
また、市場では「ミセスワタナベは世界で一番チャーミング」と呼ばれるほど評判であるが、これは賞賛ではなく、これもやはり「カモ」という意味である。
ミセス・ワタナベは当時、高金利通貨だった豪ドル、NZドルも積極的に好んで買う傾向があった。
また、その高金利通貨の買いは、トルコリラにも及び、ミセス・ワタナベは2019年8月のトルコリラ急落に勢いをつけた。
当時のトルコリラは政策金利が世界的に高金利だったため、日本では大手FX業者が高収益のスワップポイント(2通貨間の金利差益)を設定していた。

だから、ミセス・ワタナベはトルコリラに飛びついたのである。
しかし、このミセス・ワタナベの集団は、普段は会社勤め等をする一般人のため、名目金利とインフレ率の差を計算すればトルコリラは実質金利がマイナス金利であるという状況を理解していないまま(そもそもイスラム教における金融は、イスラム法で金利を良しとしない)、自己流の誤った手法で買えば買うほどに損害を膨らましている。
市場は、ミセス・ワタナベの動きを見透かし、相手の裏をかくつもりで、逆に売る側に回って利益を狙っていたのである。
2021年11月、トルコリラの急落で、ミセス・ワタナベはとうとうこの通貨を手放したと報じられた。
日本国外ではこの時期、トルコリラのスワップポイントをマイナス設定にしているFX業者も出ていた。
トルコリラの持ち高減少…

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