新千歳空港で約650人“空港泊まり”異例の全便欠航・・・北海道 記録的な大雪で混乱【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年2月23日)

 観測史上最大の積雪を記録した北海道の新千歳空港です。22日発着を予定していたすべての便が欠航になり、約650人が空港で一夜を過ごすことになりました。23日の朝も早くから、キャンセル待ちをする人で行列ができていました。

■JR運休・・・「北海道から出たい」

 休日を前に降り積もった大雪。北海道の空の玄関口、新千歳空港では、機体の足元で手作業による雪かきが進められていました。

 大勢の作業員の上に、容赦なく降り続く雪。新千歳空港では22日、119センチの積雪を観測し、観測史上最大となりました。

 途方に暮れるドライバーの姿もありました。

 除雪が追いつかず、新千歳空港を発着する228便すべてが欠航。空港内のカウンターには、便の振り替えを求める人の行列。いたるところで、対応に追われるスタッフの姿がみられました。

 奈良へ帰る客:「きのう(21日)帰る予定だったんですけど一日延びて、あす(23日)の便に乗ろうと思ったら全部満席状態で。いつになったら帰れるのかなと思っています」

 一方、空港と札幌駅を結ぶJR。22日中の運転再開を目指していましたが、除雪が追いつかず。札幌圏の列車を中心に始発から運転を見合わせ、北海道内で合わせて977本が運休となりました。

 ホームを超える高さまで積もってしまった、雪。札幌市内の駅前は、電車の代わりにバスを利用しようとする人で長蛇の列に。バスが到着しても、なかなか行列が減りません。

 吹雪が視界を遮るなか、多くの人を残したままバスは出発していきました。

 バスを待つ通勤客:「(Q.連日のJRストップですが)もうちょっと、頑張って走ってくれると・・・助かります。(JRがないと)通勤で往復4時間くらい。もう、つらいです。北海道から出たいです」

■追突事故・・・車180台“立ち往生”

 生活道路への影響も深刻です。

 十数台の車が雪で進めなくなり、15時間以上にわたり立ち往生が発生しました。

 地吹雪に見舞われるなかでの除雪作業。動けなくなった車の中で一夜を過ごした人もいました。

 車内で一夜を過ごした男性:「ホワイトアウトで、一番前で何が起きているかも分からない。朝の7時半くらいに、もう車が埋まると思って。このままだったらダメだと思って。命の危機を感じたので、とりあえず歩いて出てきて」

 ホワイトアウトは、別の場所でも。

 事故に遭った人:「あ、車だと思ったときには、もう前にいた感じでした」

 前の車に衝突した直後、後ろからも車が。

 事故に遭った人:「後ろの車にも追突されて、もうドンドンドンて。恐ろしかったです」

 函館江差自動車道で21日、およそ80台が絡む追突事故が発生。最大で180台が立ち往生。乗っていた170人が、近くの施設に避難する事態となりました。

 一夜が明けた22日も、通行止めが続いていました。

■バス行列“大雪の帰路”大混雑

 記録的な大雪で22日、全便が欠航となった新千歳空港。バスや鉄道も運休となったため、空港内では行き場を失った人がうなだれていました。

 午後5時ごろ、数台の臨時バスが運行するとの情報が入ると、すぐにバスチケットを購入するための長い列ができました。

 臨時バスの列に並ぶ利用者:「やっと動けて良かったなっていう感じです」

 次々と、バスへと乗り込んでいく人たち。しかし、台数には限りがあり、すべての人が乗れたわけではなかったといいます。

 札幌市内に住む大学生:「午後4時すぎくらいにアナウンスがあって、そこに行ったときは、本当に人が混雑していて、200人はいたんじゃないかな」

 札幌市内に住む大学生は22日、道外の実家に帰るため空港に到着したものの欠航。帰省するのを諦め、札幌に戻るため列に並びました。

 バスに乗車するまでにかかった時間は1時間半。しかし、自宅までの道のりにも困難が待っていました。

 途中休憩のため、2台のバスからおよそ100人が外へと降りていきます。向かった先のコンビニは、大混雑。なかには混雑を避け、店の前で待つ人の姿もありました。

 札幌市内に住む大学生:「トイレにも行列ができていたし、レジに並ぶ列もできていた。 やっぱり、ちょっと疲れた感じっていうのは、顔を見ててすごく感じていました」

 普段なら新千歳空港から札幌の自宅まで1時間で帰れるはずが、大雪の影響で5時間以上かかったといいます。

■“空港泊まり”寝袋も支給

 一方、空港に取り残された人たちは・・・。

 22日午後9時前、ずらっと曲がりながら並ぶ長蛇の列。防護服を着た空港関係者が、食料や寝袋などを空港内で一夜を過ごす人たちに配布していました。

 空港に泊まった札幌市内在住の男性:「こちら『お水』『パン』『カロリーメイト』を空港の方が配って下さいました。こちらのコーヒーなんですけれども、お店の方がご厚意で配っていたもので、ありがたく頂きました」

 食料をもらった札幌在住の男性。大雪の影響で大渋滞に巻き込まれ、6時間かけて空港にたどり着きましたが、飛行機が欠航。そのまま空港で、一夜を明かすことを決めたといいます。

 空港に泊まった札幌市内在住の男性:「朝7時に(自宅を)出てから、着いたのが13時半なんですよね。6時間半近くかかって、また往復するのが大変だったので、ここに泊まれるなら泊まりたいなって思ってました。コーヒーは空港内にお店があって、そのお店が配ってらっしゃって。色々な人が協力してやってくれているんだなって、改めてありがたみを感じました」

 男性は床の上に横たわり、そこで一夜を明かすことにしました。

 空港に泊まった札幌市内在住の男性:「きょう(22日)は、ここ(床)で寝ようと思います」

 22日午後10時すぎ、東京から出張で訪れていた30代の女性が撮影した映像です。

 支給された寝袋を床に敷き、横になる多くの人たち。ソファーで寝ている人もいれば、靴を枕代わりにして寝ている人もいました。

 東京から出張で来た30代女性:「結構な人数はいると思います。お子さんとかも、結構いたり、老人の方も(配給の列の)後ろに並んでいた人が『きのう(21日)から泊まっていたんです』っていうおばさんもいたので。きのう(21日)は、こういうの(支給)が無くて、きょう(22日)初めてだっていうのを後ろの人が言っていた」

 空港では22日、およそ650人が一夜を過ごしたといいます。

 空港で一夜を明かす利用客:「仕事を休まないといけなかったのが申し訳なくて。電話でペコペコして謝って」

 なかには、こんな人もいました。

 福岡から旅行に来た男性:「周りのホテルはいっぱいで。きょう(22日)は、やむなく空港に泊まろうということにしました」

 空港内にある宿泊ホテルや、仮眠スペースのある温泉施設はすべて「満室」に。さらに、周辺の宿泊施設も予約が取れない状態だといいます。

 空港に泊まった札幌市内在住の男性:「(Q.明日は何時の便に?)14時の便ですね。ちょっと、まだ出るかどうか分からないんですけど。今のところ出るみたいな話は聞いているので、前向きに捉えたいなと思っています」

■キャンセル待ち・・・朝から行列

 23日午前6時ごろの空港内の映像です。チケットカウンター前には、およそ40人のキャンセル待ちの列ができていました。

 行列のなかには、地面に座る人や、スーツケースにまたがる人の姿もありました。

 22日は全便欠航でしたが、今朝の案内板を見ると、搭乗手続きを行っている便もあります。その30分後には、先程より人数は増え、奥まで並び始めています。

 温泉施設にも長蛇の列。23日午前7時、滑走路などでは夜を徹した懸命な除雪作業が、今も行われています。

 午前6時までの新千歳空港の最深積雪は「122センチ」と、観測史上最大を更新しました。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年2月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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