緊迫するウクライナ情勢です。ロシア軍による軍事侵攻への懸念が高まる中、アメリカは派兵に備え準備態勢を強化するなど対応を加速させています。
アメリカ国防総省 カービー報道官
「オースティン国防長官は、幅広い部隊に対して派遣準備態勢の強化を指示した。ＮＡＴＯの即応部隊が稼働した場合などに部隊の派遣準備を加速させられる」
アメリカ国防総省は２４日、国内の部隊に対し、派兵に向けた準備態勢を強化するよう指示したことを明らかにしました。兵士８５００人が対象ですが、カービー報道官は派兵について「いかなる決定も行われていない」と強調しています。
バイデン大統領はイギリスのジョンソン首相などヨーロッパの首脳らと会談し、ロシア軍の拡大に改めて懸念を示したうえで、ウクライナの主権と領土の一体性に対する支持を表明しています。
ＮＡＴＯ ストルテンベルグ事務総長
「我々は、東の加盟各国におけるプレゼンスをさらに拡大することを検討していて、ＮＡＴＯ戦闘部隊を追加で配置することもあり得ます」
また、ＮＡＴＯ＝北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は、現在、バルト３国やポーランドに配置されているＮＡＴＯの部隊を増やす可能性に言及しています。
記者
「ウクライナ・キエフ中心部にある独立広場です。こちらは、かつて親ロシアの大統領が失脚するきっかけとなった抗議デモが起きた場所です。あれから８年経ったいま、ウクライナとロシアは再び緊張関係にあります」
ウクライナでは、アメリカやイギリスの大使館職員の家族らに国外退避に向けた動きが出るなど、市民の間で不安が高まっていますが、ゼレンスキー大統領はビデオ声明で「パニックになる理由はない」と呼びかけました。
一方、ロシアのペスコフ大統領報道官は、こうした国外退避の動きをめぐって「我々は情報のヒステリーを目撃している」としたうえで、「緊張が高まっているのはロシアのせいではなく、アメリカとＮＡＴＯの行動と彼らが発表する情報によって引き起こされている」と主張しています。（25日11:19）
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