Petro POROSHENKO, President, Ukraine
ウクライナのポロシェンコ大統領が会見し、記者の質問に答えた。
司会 脇祐三 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)
通訳 池田薫、渡辺奈緒子(サイマル・インターナショナル)
http://www.jnpc.or.jp/activities/news…
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記者による会見リポート
G7でロシアに強いシグナルを
「不透明な取引は何もない」
各国首脳による租税回避地を利用した税金逃れの疑惑を暴露したパナマ文書の波紋が広がる中、4月5日に来日したウクライナのポロシェンコ大統領。記者会見はこの疑惑への質問が集中する異例のものとなった。
大統領は2014年の大統領就任後に、経営する菓子メーカーの資産を英領バージン諸島の法人に移した。これについて「他の国の事例と大きく異なる。目的は大統領期間中に政治活動からビジネスを分離するためのものだ」と、身ぶり手ぶりを交じえ、繰り返し疑惑を強く否定した。
ウクライナ危機から2年余り。情勢が以前より沈静化し、中東やヨーロッパで大きな事件が相次いでいることで、ウクライナへの国際的な関心が薄れてきているのは否めない。ウクライナ東部では停戦は成立したものの緊張が続き、政治対立や汚職の蔓延などで大統領の足元が揺らいでいる。東部2州に特別の地位を与える憲法改正は実現のめどが立たず、問題の唯一の解決策とされるミンスク合意の完全履行は難しい状況だ。
G7サミットを前にウクライナへの国際的な支持を取り付けたいポロシェンコ大統領。ロシアについて、「今なおウクライナの領土を占領し、兵士や兵器を送り続けている」と厳しく批判した。そしてG7サミットでは「ウクライナ支持で一致した立場を示し、ロシアに対して強いシグナルを送ってほしい」と求めた。
また安倍総理がロシアを訪問し、プーチン大統領と会談する際、ロシアに停戦合意の履行や軍の撤退を働きかけるよう期待を表明した。
G7の中でも対ロ制裁の継続に消極的な意見があり、日本側はウクライナに対し停戦合意を完全に履行するよう注文を付けている。ウクライナ問題がG7の議題のone of themになりつつある中、ウクライナとしても合意の履行に向けた強いシグナルを出すことが求められている。
NHK解説委員
山内 聡彦
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