ワクチン3回目接種 いつ、誰から?

 新型コロナワクチンの2回目接種率が70%を超える中、3回目接種の準備が始まっています。いつ、誰から接種が受けられるのか?接種実現のための課題と対策は?東京都医師会・副会長の角田徹さんに詳しく伺います。

■3回目接種開始は12月1日の見込み

井上貴博キャスター:
10月20日に厚生労働省から各自治体に通知が出されました。「新型コロナワクチン3回目接種に係る接種券等の印刷及び発送について」という文章です。「現時点で3回目接種開始見込みを12月1日」と明記していました。対象となる皆さんにその1週間ほど前にはということで、11月22日めどで接種券が届くよう準備を進める必要がある、と各自治体に通知を出していたわけです。

この3回目の接種について今考えられていることは、対象は2回目接種から8か月以上が経った方、ワクチンの種類は2回目までと同じ種類を基本とする方針を日本はとっているんですが、海外で既に行われている交差接種(別の種類のワクチンを打ってもいい)ということも検討しながら話し合いを進めていきますよという段階です。来年1月末までに使用する分として412万回分を各都道府県に配分する手配はついているということです。

■3回目接種 いつ打てる?

井上キャスター:
どなたから打ち始めるのか?やはり今までと同じことをもう1クール繰り返すということになりそうです。それぞれ2回目接種から8か月空くと、こういうことかなということで数字を当てはめてみました。
2回目接種完了が今年3月だったのが医療従事者の皆さん。ということは8か月後となりますと今年12月ごろ。65歳以上の皆さんは5月に完了していると考えると単純計算で来年の頭頃でしょうか?その後に基礎疾患を持つ方なども入ってくると思いますが、一般の方(64歳以下)、職域接種(職場接種)については来年3月ごろ以降になるのかなという形です。これは決定事項では全くありません。

■若い世代ほど低い接種率

井上キャスター:
2回接種完了者の年代別の割合は・・・

▼年代別ワクチン2回接種の割合(東京都)
12~19歳 57.6%
20代 60.6%
30代 65.6%
40代 72.5%
50代 80.0%
60代 85.3%
70代 89.6%
80歳以上 91.5%

やはり年を重ねるほど完了者割合が多くなるというわけですが、10代と20代前半はコロナにかかって重症化率が極めて低いと言われている中で、これだけ進んでいるというのはまず敬意を評すべきかなとも思いますし、ワクチンを打つことで、後遺症のリスクが減らせるという情報もありますので、そういったところも鑑みて皆さんお考えいただければなというところもあるわけです。

ホラン千秋キャスター:
ワクチンに関しては打つリスクと打たないリスク、こういったところを考えて打つという選択をする方、打たないという選択をする方様々いらっしゃるわけですよね。

東京都医師会副会長 角田徹医師:
そうですね。いくつかのデータが示すように明らかにワクチンは有効です。感染予防も重症化予防もですね。ただ、予想される副反応を含めていろんな副反応があるので、そこをやっぱり心配なさっている方たちがいます。このデータでわかるように、若い人たちは基本的にあまり重症化しないから自分の病気じゃないと思って打たない、あるいはちょっとそういう情報で怖いと思って打たないと思われます。
やはり若い人も感染します。そして、感染した後一定の確率で重症化したり、後遺症も残りますから、ぜひ他人事ではなくて、これで終わったんじゃなくて、今まだワクチンを打っていない方たちは打っていただきたいというふうに思います。

■ワクチン接種率83%の浜松市から学べること

井上キャスター:
あとは自治体側としてよりよく進めていくために、うまくいっている自治体から学べることがないのかという観点で、静岡県浜松市について調べてみました。ワクチン2回接種率83.47%(10月26日時点)。これは全国の政令指定都市の中でもトップクラスにあるということです。
浜松市は20代の接種完了率も7割を超えているというかなりいいペースで接種が進んでいます。浜松市の鈴木康友市長は「早ければ12月から医療従事者の接種がスタートする」と3回目接種も、やはりもう先陣を切って行いたいんだという話を10月26日にしています。11月中旬に約3万回分のワクチンが届く予定です。
スケジュールとしては浜松市は12月に医療従事者の皆さん。来年3月に65歳以上の皆さん、そして5月には一般の方々。
既に高齢者の3回目接種に向けて「アクトシティ浜松」「はまきたプラザホテル」といった場所も3回目の接種会場に向けて確保しています。ホテルや商業施設など、大規模にドーンと広く打てるところをもう既に確保しているという。早いんですね。ですからこういったところをいろいろ勉強して取り入れながら各自治体が進んでいくんだろうと思います。
あとは今までも言われていますが接種会場の確保をどうするのか、打ち手の確保をどうするのか。でもこれは初めて行うことではありませんので、やはり今までの知見がどんどん活きていく部分なんだろうと感じます。

ホランキャスター:
浜松市は何か特別な取り組みをしてるんですか?

井上キャスター:
これが時間がなくて全部調べられなかったんですが、特に何か、政策を打ってるというのは今の段階であまり見つからなかったんですけど、ちょっとそういうのはお伝えできれば、どんどんまたお伝えしたいなと思います。83%というのは驚異的な数字とも言えそうですよね。

ホランキャスタ-:
市民の皆さんの意識が高いのかもしれませんけれども、今後は段々と2回目接種を終えた方も出てきていますので、それ以外の方々にワクチンを打ってほしいというメッセージ、打つとどういう良いことがあるのかというのを積極的に発信していくことが今後打ちたいと思う方が増えることに繋がるのかなというふうにも思いますね。

角田医師:
本当にそういったことを理解していただく。正しい知識を伝えていただいて、副反応のことがあまりにも多く言われてますけど、全部ほとんど対処できるものです。浜松市はきちっと情報がしっかりと皆さんに流されて、理解されてるというところがあるんじゃないかというふうに思います。

■打ち手を確保するために私たちができること

ホランキャスター:
萩谷さんは何かいい取り組みのアドバイスとかありますか?

萩谷麻衣子コメンテーター(弁護士):
打ち手の確保が課題になってますけども、今後救急救命士さんたちを含めて、打ち手を確保する体制って組んでいかなきゃいけないと思うんですね。ただ打ち手の確保をするために一番重要なことって、病院が新規の感染者で手が回らなくなって、ワクチンまで手が回らないという状況を作らないことが重要だと思うので、そのためには私達がやっぱり感染しないように気をつける努力ができると思うので、そこが重要なのかなと思います。
あとは今後アメリカにならって11歳以下の子供たちにワクチンを打っていくのか、いつ打っていくのかということも気になります。

ホランキャスター:
その点に関しては保護者の皆さんの考え方もあるでしょうし、子供の考え方もあるでしょうし。

萩谷コメンテーター:
情報をいろいろきちんと出してほしいですね。

井上キャスター:
打ち手として言われるのはお医者さん以外の方にも広く打っていただく。そのために医師会もバックアップしてということを言われてますが、やはり広げていける素地はあるんですか。

角田医師:
はい。医療従事者全体が一丸となって進めています。やはり感染者が増えると医療の方に手が取られて、医療従事者をみんなそっちへやらざるを得なくなりますから、しっかりと感染の波を抑えて3回目のワクチンを打つということが重要ですね。(28日17:19)

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