重症化防ぐ「抗体カクテル療法」取り入れた病院では“発症から日が浅い患者”に効果か(2021年8月3日)

感染した人の血液からコピーして作った2種類の新型コロナウイルスの働きを抑える抗体を投与してウイルスと人の細胞がくっつくのを防ぎ、重症化を防ぐ『抗体カクテル療法』。これをすでに行った病院に話を聞きました。

 コロナ専門病院として中等症の新型コロナ患者を受け入れている大阪市淀川区の「十三市民病院」。院内の映像では、抗体カクテル療法の薬「ロナプリーブ」の箱の中に、2種類の治療薬「カシリビマブ」「イムデビマブ」が入っています。薬剤師がそれぞれの薬を生理食塩水に注入し、抗体カクテル療法を患者に実施するための準備をしていきます。十三市民病院では、承認されてから10日後の7月29日に抗体カクテル療法を取り入れました。

 (十三市民病院 西口幸雄院長)
 「軽症中等症に効果があると聞いていましたので。私たちの病院は多くの軽症中等症の患者さんが入院されますので、重症化を防ぐのならたくさん使ってあげないと申し訳ないなと思って取り入れました」

 十三市民病院では基礎疾患があるなど重症化リスクが高い患者に希望も聞いて治療を行っています。これまでに3人に投与したといいますが、効果はどうだったのでしょうか。

 (十三市民病院 西口幸雄院長)
 「2人は使った翌日には熱が下がりました。症状もとれてきまして非常に効果があったと思います。1人はまったく変わりなくて次の治療に。効いた2人は発症してから3日目の方と4日目の方です。まだ(発症日から)比較的浅い。効かなかった1人は発症して7日目で、発症してからの日もけっこう影響しているのではないかなと思います」

 今は病床に余裕があり対応できていますが、この先懸念も…。

 (十三市民病院 西口幸雄院長)
 「『発症から7日以内に使いなさい』というのが非常にネックになっているかもしれないです。病院になかなか入院できなくて、病院に入院したときには5日過ぎている、6日過ぎている方が、(薬を)取り寄せた時にはもう8日過ぎていると」

 十三市民病院では今後も『抗体カクテル療法』を行っていきたいといいます。

 (十三市民病院 西口幸雄院長)
 「70%効果があると言われている薬ですから、やっぱり使ってあげたいですよね。対象患者さんにはすべて使ってあげたいなと思います。(Q今後の懸念や不安は?)限られた薬ですので、多くの方、全ての人に使えないと思うんですよね。皆さん希望されますので、それが全ての方に行きわたるかというのはちょっと懸念しています」

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