切り札? 治療薬「デキサメタゾン」 意外にも“身近な存在”実力は

東京で238人、大阪で過去最多となる121人の新型コロナウイルスの感染者が確認される中、開発中のワクチンと日本の治療薬に大きな期待が寄せられている。

ワクチンと治療薬をめぐる新たな動き。

それは、新型コロナ対策の切り札となるのか。

日本での新型コロナウイルス感染症の治療薬は、これまで特例承認されていた「レムデシビル」のみだったが、厚生労働省は、新たに医療機関向けの診療の手引きに、ステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」を追加掲載。

国内2例目の治療薬となる。

根拠となったのは、重症患者の致死率が減少したというイギリスの研究結果。

特に人工呼吸器をつけた患者の場合、デキサメタゾンの投与を10日間続けた結果、28日後の死亡率が、投与しなかった患者に比べ、10%ほど低かった。

デキサメタゾンとは、どのような薬なのか。

実は、既存の薬として、日本の医療現場では広く使われている。

都内の小児科でも。

大川こども&内科クリニック・大川洋二院長「これがシロップ剤で、これは錠剤、経口の薬ですね。ぜんそくで呼吸困難になった人の呼吸をしやすくするような抗炎症作用を主とした扱い方ですね。(病気によっては)0歳から使えます」

日本国内では、「デカドロン」という名前で知られており、注射用の液体タイプや錠剤、さらに、飲み薬用のシロップもある。

大川こども&内科クリニック・大川院長「これは抗炎症作用で、呼吸器の炎症を抑えるために、子どもが呼吸ができなくなる状態から救うことができます」

大川医師は、新型コロナ治療の現場でも、以前から使われていたのではと指摘する。

大川こども&内科クリニック・大川院長「新型コロナウイルスの場合も、呼吸が苦しいということが多いと報告されていますので、それに準じて使われたのだろうと思います」

気になるのは、服用した際の副作用。

製薬会社のウェブサイトには、副作用についての目立った記述はない。

大川こども&内科クリニック・大川医師も、短期的な副作用は少ないとしながらも、「短期的に使う分には問題ありませんけれども、1カ月、2カ月使うと、一番問題なのは筋力が低下して、非常に力が出なくなる状態。それと、高血糖になりますので、糖尿病の状態になりやすい」としている。

治療薬拡充の一方で、ワクチン開発にも新たな動きが。

イギリスのオックスフォード大学と製薬会社アストラゼネカは20日、開発中のワクチンが強力な免疫反応を示したと、臨床試験の中間結果を発表した。

2020年9月の供給を目指すこのワクチン。

会見を行ったアストラゼネカのトップは、日本への供給にも言及した。

アストラゼネカ パスカル・ソリオCEO(最高経営責任者)「できる限り早く、1億回分のワクチンを日本に供給することを目指しています」

さらに、日本の加藤厚生労働相からも。

加藤厚労相「日本のアストラゼネカの社長が来られて、話もさせていただいている。交渉をさせていただいているところであります」

ワクチンの供給量については、20億回分が生産される可能性があり、アストラゼネカは、そのうちの1億回分を日本に供給することを念頭に、交渉を行っているとしている。

しかし、日本への供給が、ほかの国より遅れる可能性があるとの発言も。

アストラゼネカ パスカル・ソリオCEO「もし日本での治験の結果を待たねばならないのであれば、そのときは日本への供給は遅れることになる」

新型コロナ対策の切り札となり得るワクチン。

迅速かつ安定的な確保ができるかどうかが、次の焦点となる。

(2020/07/22)
#新型コロナウイルス
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