21日の東京株式市場の日経平均株価が大幅に下落し、終値は3万円の大台を割り込みました。日本だけではなく、アメリカ、ヨーロッパなど、世界中で軒並み株価が下落しています。この背景にあるのは、中国の不動産大手『恒大集団』の経営危機です。
1996年に設立された恒大集団。売上高は、約8兆5000億円にも上ります。しかし、現在、中国全土で恒大集団が手掛けているマンション建設は、中途半端なところで完全にストップしています。
中国を代表する巨大企業に何が起きたのでしょうか。大きく2つの理由が、影響しているといわれています。
一つは恒大集団の問題です。不動産開発だけでなく、近年は、遊園地などのレジャー産業や、電気自動車の開発会社を買収したり、サッカーチームを運営。果てにはミネラルウォーターを売ってみたりと、金融機関から巨額の借り入れを行い、経営の多角化を進めていました。事業を増やした分、売上高は上がっていきましたが、事業として成立していないものも多く、利益は増えませんでした。膨らんだ負債額は、現在、33兆円です。
もう一つは、中国共産党による政策変更です。中国政府は、不動産バブルを抑制させるため、銀行の住宅ローンや不動産企業への融資に総量規制がかけられることにしました。これにより恒大集団は、金融機関からの資金調達が難しくなりました。恒大集団は、資産の売却や事業の整理の乗り出しましたが、うまくはいっていません。23日には、90億円を超える社債の利払いが控えていて、30日以内に払えなければ債務不履行=デフォルトです。
恒大集団をめぐっては、下請けや取引先の人たち、マンションの購入者や投資家たちが、各地で抗議活動を行っています。
恒大集団は、年利10%~25%の金融商品も売っていました。恒大集団関係者の同級生から頼まれ、約680万円で購入した男性に話を聞きました。
投資家:「『ノルマを達成しないと、その仕事が続けられなくなる』と彼は言った。(Q.同級生を助けようとした気持ちで買ったのか)そうだ。両親と私が、長年、生活を切り詰めて貯めたお金。今回のことを、まだ家族には話せていない。一人で悩みを抱えている」
恒大集団では、すでに幹部の流出も始まっているといわれています。創業者は21日、全従業員にこのようなメールを送っていました。
メール:「心を一つにすれば、泰山をも動かせる。我々はより団結し、不屈の勇気、強靭な精神をもって、ともに美しい未来を創っていきましょう」
世界の金融市場に詳しい中空麻奈さんは、今回の件をこのように分析しています。
BNPパリバ証券・中空麻奈チーフクレジットストラテジスト:「今までお金をたくさん稼いだような人たちに、見せしめ的にデフォルト(債務不履行)というシナリオを選ぶことは十分ある。負債額は、リーマンショックのときよりは少ない。あくまで一企業の問題とするならば、世界の金融市場を震撼させることにはならないだろう。中国政府が、海外の金融市場の大混乱を引き起こしたいかというとそうではない。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
powered by Auto Youtube Summarize