「3日で一気に元気に・・・」新型コロナ 注目の治療法(2021年8月11日)

 自宅療養者が増えるなかで、院長が泊まり込みで対応しているクリニックを取材しました。新たな治療法にも注目が集まっています。

 自宅療養する40代男性は手の震えが止まらず、一刻を争う状況でした。

 診察する医師:「これね、非常に重篤な状態だと思うから、今すぐに酸素の機械を取り寄せたり、薬持ってきます。保健所にも緊急性が高いと一報入れておきます」

 在宅医療専門の都内にあるクリニック。この1週間で患者は急増し、お盆を前に不安を募らせています。

 ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長:「お盆になると休診する医療機関も増えるので、自宅療養を支援する医療機関の絶対数が減ります。負担は非常に想像を絶するものだろうと思っています」

 医療逼迫(ひっぱく)が現実味を帯びた今、現場と患者の負担軽減につながると注目を集める治療法があります。

 元患者・西端康孝さん(44):「3日間で一気に元気になっていく感じがあった」

 「ネーザルハイフロー」は医療逼迫の切り札となるのでしょうか。

 西端康孝さんは今年4月に感染し、入院しました。

 元患者・西端康孝さん:「トイレに行こうかなと思って体を起こすだけで、自分の体が沼の底に沈んでいく感じ。どこまでも沈んでいって、このまま死んでしまうのではないか・・・。それくらい息ができない苦しさに襲われていましたね」

 呼吸困難となり、新たな治療法が開始されました。

 元患者・西端康孝さん:「ネーザルハイフローの機械を持ってきて頂いて、使うことになりました」

 ネーザルハイフローとは、どのような治療法なのでしょうか。

 日本大学板橋病院・權寧博副病院長:「ネーザルハイフローは酸素療法の一つ。名前の通り、鼻から高濃度の酸素を吸ってもらう」

 患者の鼻に管を差し込み、高濃度の加湿された酸素を大量に送る治療法で、中等症の患者を対象に広がっています。

 “新型コロナ”担当・西村経済再生担当大臣:「新たな治療法として、人工呼吸器などを投入せずに高流量の酸素吸入を行うネーザルハイフローの定着によって、人工呼吸器を装着すると、どうしても人手がたくさん、人員が医療従事者がかかりますので」

 喉の奥まで管を入れて麻酔も使用する人工呼吸器と比べ、鼻に差し込むネーザルハイフローは大きなメリットがあります。

 日本大学板橋病院・權寧博副病院長:「気管内挿管をして人工呼吸器を装着するのは大変な作業になるので。鼻に付ける酸素療法ですので、開始は非常にスムーズに準備して患者さんに取り付けて吸ってもらうので比較的、簡単に開始できる。それが大きなメリット」

 この措置により、人工呼吸器を使う“重症化”を防ぐ狙いがあります。患者側は意識が保たれ、筋力の低下を減らすメリットもあります。

 日本大学板橋病院・權寧博副病院長:「高流量の酸素を吸って頂くことで、人工呼吸器を付けなければならない状況を回避する。人工呼吸器やICU(集中治療室)の病床、医療スタッフとか医療資源の枯渇を防ぐ。食事も取れますし、生活の質を得られやすい」

 肺炎で呼吸困難となっていた西端さんも3日程度で症状が改善しました。

 元患者・西端康孝さん:「付けた瞬間から見違える感じになりました。全身に酸素が巡っていくような感じ。一気に酸素が脳みその方まで届くような感覚があって、3日間で一気に元気になっていく感じ」

 5月に厚生労働省が新型コロナウイルスの診療の手引きに加えるなど、導入する医療機関が増えています。

 一方で、患者数の増加に追い付かない状況も生まれています。厚生労働省は医療機関に補助金を出すなど確保に向けた支援をしています。

 日本大学板橋病院・權寧博副病院長:「十数台もフル稼働で、さらに追加で購入をしているところ。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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