工藤会 最高幹部に判決へ(4) 求刑は死刑と無期懲役 4つの市民襲撃事件に福岡地裁の判断は?

全国で唯一の特定危険指定暴力団・工藤会。

トップには「死刑」、ナンバー2には「無期懲役」が求刑される中、8月24日に福岡地裁で言い渡される判決は?

裁判の経緯と争点をVTRにまとめました。

<1982年の映像>
暗闇の中、警察車両を降りた1人の男。

正面をにらみつけ連行されていきます。

これはTNCが撮影した、若かりしころの野村悟被告の映像です。

<1987年の映像>
ほかの映像では野村被告の肉声も確認できます。

◆野村悟被告
「運転しよるわけやないのに」
 
これからおよそ20年後ー

<2011年 5代目襲名式>
組織内の足元を着々と固めていき、九州最大の暴力団、工藤会のトップに上り詰めた野村被告。

しかしー

<「2014年9月11日」>
◆福岡県警・樋口本部長(当時)の会見
「本日、福岡県警察は、全国で唯一、特定危険指定暴力団に指定されている5代目工藤会のトップを殺人などの容疑で通常逮捕しました」

福岡県警はいわゆる「頂上作戦」で総裁・野村被告とナンバー2の会長・田上不美男被告らを殺人などの疑いで逮捕しました。
 
2人は1998年、港の公共工事への介入を断った元漁協組合長が射殺された事件、
2012年、工藤会捜査に携わっていた福岡県警のOBが銃撃された事件、
2013年、野村被告が通っていたクリニックに務める女性が切り付けられた事件、
2014年には98年に殺害された元漁協組合長の孫が切り付けられた事件、
いずれも市民ばかりを狙った4つの襲撃事件に関与したとされています。

2019年10月に福岡地裁で開かれた初公判で野村被告はー

<裁判の取材メモより>
◆野村被告
「私は4つの事件全てにつき無罪です」

検察が起訴した内容について全面否認。
 
双方の主張が真っ向から対立する中、最大の争点となったのがトップの”指示”があったかどうかです。

<裁判の取材メモより(元漁協組合長射殺事件)>
◆弁護側
「元漁協組合長の殺害を指揮命令したのか?」

◆野村被告
「いえ、ありません」

◆検察側
「配下の組員が被害者の会社に行っていたことは知っていたか?」

◆野村被告
「知りません。人それぞれしのいで生きている。私に言うことはありません」

◆田上被告
「退職しても元警察官を銃撃すると警察官は一丸となって工藤会をたたいてくると思う。分かっていて許すほど愚かでもありませんしバカでもありません」

<裁判の取材メモより(女性看護師切り付け事件)>
◆弁護側
「女性看護師を傷つけるような指示は?」

◆野村被告
「治療の結果を愚痴ったことが組員に伝わり、こうなったのかもしれない」

さらに、野村被告は自身の「総裁」という立場について問われるとこう答えました。

<裁判の取材メモより>
◆野村被告
「何も権限はありません。総裁とは隠居ですね。飾り。一般人が刺されて気の毒に思う」

幾度となく市民を恐怖に陥れた工藤会。

直接証拠がない中、検察側はトップの指示なしに事件を起こせない“上位下達”の組織であることを主張。

野村被告に「極刑を持って臨まなければ社会正義を実現することができない」と強く非難し死刑を、田上被告には無期懲役などを求刑しました。

一方、弁護側は「検察の主張は根拠がない」として無罪を主張しています。

暴力団トップに極刑が求刑された異例の裁判の判決は8月24日に言い渡されます。

#工藤会 #暴力団 #福岡県警

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