“非難合戦”結果は5分5分?トランプvsバイデン(2020年9月30日)

アメリカの大統領選が約1カ月後に迫るなか、共和党・トランプ大統領(74)と民主党・バイデン候補(77)の初めての直接対決になるテレビ討論会が開かれました。全米が注目する討論会は、感染対策もあってか握手なしで始まりました。この日の議論は90分。現在、アメリカの新型コロナウイルスの感染状況は、世界最悪で、第3波の兆しが見えてきています。
 民主党・バイデン候補:「大統領には何の計画もなく、対策もしてこなかった。2月には新型コロナの危険性を把握していたのにパニックを恐れ、国民を警告しなかった。パニックになったのは彼自身だ」
 共和党・トランプ大統領:「バイデン氏の意見を聞いていたら、死者は20万人どころか数百万にになった。バイデン氏には私のマネは到底できない」

4年前、トランプ大統領を勝たせたのは、経済への期待です。特に第1次産業、第2次産業に従事している人たちは、すがるような思いで民主党支持からトランプ支持に変えた人もいます。しかし、今は、株価は好調でも新型コロナウイルスの影響もあってか、失業率などは史上最悪レベルとなっています。トランプ大統領に投票した人も今回は悩んでいます。
 前回トランプ氏に投票した元民主党支持者:「大統領らしく振舞うかどうかではなく、仕事を作るかどうかが問題。経済でいえば、トランプ大統領の方が多くを提供するでしょう。でも、国としてもよく見られなければなりません。そういう意味では、バイデン氏の方が優勢で、思いやりも見せていた」
今回の討論会で、バイデン氏はカメラの方を見て、視聴者に呼び掛けるような戦略を取りました。一方のトランプ大統領は、個人を叩き、たびたびバイデン氏や司会者の発言に割り込んで持論を展開。司会者に注意される場面もありました。トランプ大統領のやり方に引きずられたのか、バイデン氏も「こんな道化が相手では発言しようがない」「あいつはプーチンの犬だ」など、短気な側面が出がちになってしまいました。
CNNは「大統領と前副大統領が、けんか腰でぶつかり合う混沌の討論会だった。ひどい内容だった。勝者はいない。見ていた皆さんの負けです」などと報じました。CBSでは、事前の世論調査とほぼ同じ数字で、バイデン陣営が期待していた浮動票の上積みとはいかなかったようです。

日本のアメリカウオッチャーは、どう見たのでしょうか。
 笹川平和財団・渡部恒雄上席研究員:「バイデン候補が、どんなビジョンあるかと期待した人に対して、あんまり明確な地図を出せなかった。これはトランプ大統領は成功した。バイデン候補のほうの成功は、かたや自分がちゃんと元気があって、自分に投票してほしいと思っている中西部のブルーカラーの人たちにうまくアピールした内容だと思う」
 早稲田大学(国際公共政策)・中林美恵子教授「バイデンさんは思ったよりも、よくやったという評価になる可能性がある。結果は五分五分。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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