10万円の特別定額給付金で、自治体にさまざまな混乱が...。
加藤綾子キャスター「住民1人につき10万円という特別定額給付金ですが、皆さん申し込みは済んでいるでしょうか。申し込んでいない・もうオンラインで申し込んだ・既に受け取った・まだ申請書が届いていない...と、さまざまな人がいると思います。別所さんは申し込みましたか?」
別所哲也氏「まだ、わが家は郵送では申請書が届いていないです。マスクは届いたんですけど。申請書が届いたらしっかりと申請をして、どういう仕組みだったのか理解して、いただいたお金は何のためにどういうふうに役立てるか、しっかり家族で考えたいなと思っています」
加藤綾子キャスター「補正予算が国会で成立して、10万円の給付が決まってから既に20日がたちました。給付の事務作業を行う全国の市区町村では、さまざまな混乱が生じているようです」
木村拓也キャスター「まずは、申請の方法からおさらいしていきたいと思います。申請できる人は世帯主のみです。マイナンバーカードを持っている世帯主は、オンラインで申請ができます。そうでなくても郵送での方法もあります。オンラインの方が、パソコンでインターネット経由だから早く給付されるのかなと思いますが、蓋を開けてみるとそうでもないようです。
香川県・高松市の例です。5月24日にオンライン申請を中止します。その理由は、重複申請。同じ人が何回も申請してしまったり、システム上の問題がありました。それから申請内容の不備や、間違った入力が多かった。さらに、申請はオンラインですが、住民基本台帳と照らし合わせる作業は、職員が全て手作業で行ったという。給付に遅れが生じてしまったため、高松市では5月25日以降は郵送のみに切り替えるということです。
これらを受けて、支給が遅れることが明らかな市区町村に関して、総務省は『手作業など目視の作業が多くなってしまうところなどは、人数が一致していれば間違っていないとみなしてよい。さらに“緊急災害用のシステム”などを使って、スピード感を持って支給を』ということでした」
加藤綾子キャスター「一つ一つ確認ではなくて、人数がぴったりだったらオッケーということを政府が決めたということなんですね。本来はオンライン申請って作業を効率化するためのものだと思うんですけど、なぜこうなったと思われますか?」
風間晋フジテレビ解説委員「国が、マイナンバーカードを使って給付を行うのは今回が初めてなんですね。しかも“30万円コース”と言われていた時は、マイナンバーカードの『マ』の字も聞こえてこなかったんですよ。それが急転直下、一律10万円になった途端に、マイナンバーカードだと早く貰えるっていう話になったわけなんです。そうした経緯から想像される通り、そもそものシステムも現場も、これだけの数を処理する準備はできていない、言わば見切り発車だったのでは...」
加藤綾子キャスター「確かに、当初マイナンバーカードができた時には、給付のためということは想定はしていなかった。システムが整っていなかった、それが原因だということですね」
風間晋フジテレビ解説委員「しかも、マイナンバーカードの普及率がいま16.4%なんですよ。まだまだ一般的じゃないので、それを一気に広める絶好のチャンスという思惑もあったんだと思います」
加藤綾子キャスター「でも、それがこうした混乱につながっているわけですもんね。一方で、郵送による申請の場合でも間違いが多発しているということなんですよね」
木村拓也キャスター「『オンラインでダメだったら、郵送で』と思うんですが...こちらは申請書を拡大したもの。名前のところの隣にチェックマークがあるんですが、これを大きくして見ていきましょう。これは、ほしい人がチェックするわけではなく、『給付を希望されない方につきましては』となっています」
加藤綾子キャスター「給付を希望しない人がチェックすることになっていますが、希望する人が間違えてチェックしてしまう...こういったミスも多発しているということです。この10万円の給付ですが、町の人はどこに不満を感じているのでしょうか?」
オンライン申請をしたか、街の人に聞いてみると...。
未申請・20代「1回試しました。何が何だかわからなくて、やめちゃいました」
未申請・60代「項目自体が多すぎる。もっと簡単にしてもらえたら楽だった」
未申請・40代「オンライン申請は今のところ特に考えていない。今のところというか、ないですね。もらえるのであれば早いほうがいい。日にちをもっと明確に、情報がわかりやすくあればありがたい」
申請済み・40代「ネットでしました。お金はまだ届いていない。早くしたほうが早く処理が進んで、振り込みも早くされるのかなって感じだった。(郵送よりも振り込みが遅いのは)ちょっといやですね」
申請済み・20代「携帯で、オンラインで(申請した)。パスワードが2段階とか、ちょっと面倒くさかった。もっと効率よく(してほしい)。ちょっと要領悪いかな」
加藤綾子キャスター「スピードを考えるとオンライン申請だけれども、やってみるとちょっとなかなか大変...という声が多かったですね。
今後、給付をスムーズに行うため、自民党はマイナンバーと銀行口座をひも付けることなどを盛り込んだ提言案を、近く政府に申し入れる方針です。これが実現すれば、給付を受け取る銀行口座を入力する必要はなくなるということなのですが、これで問題は解決すると思われますか?」
風間晋フジテレビ解説委員「もう銀行口座とマイナンバーはくっついているんですよ。三菱UFJ銀行のウェブサイトから作ったのですが、すでに届け出をお願いされているんですよ。ただそれは、税務調査だったりとか資産調査当局の要請に応じるためのものであって、給付をするためのものじゃないんですよ。自民党が言っていることと、ちょっとちぐはぐ感がある」
加藤綾子キャスター「もうすでにひも付けを提案しているのに、今なんで発表してるんだっていう、そのちぐはぐ感ということですね。でも、ひも付けることは、いいことと捉えていいんですかね」
風間晋フジテレビ解説委員「給付に使うには、絶対ひも付けないとだめなんです」
別所哲也氏「僕の妹がアメリカのペンシルベニアに住んでるんですけど、スピード感を出すには、給付との関係はソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)等ときっちりタックスペアとして繋がっているからできるわけです。2週間でやるためには、そういうことを行政サービスとしてつながってやるということが当初から考えてやるってことですよね」
加藤綾子キャスター「しっかりと整備してもらわないと、ということですね」
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