お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志が、女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の報道で名誉を毀損されたとして、発行元の文芸春秋と週刊文春編集長に5億5000万円の損害賠償などを求めた訴訟について、吉本興業は8日、松本側が訴えを取り下げ、裁判を終結させることを報告した。金銭の授受は一切ないとしている。
今年3月に東京地裁で行われた第1回口頭弁論で、文春側は請求の棄却を求め、全面的に争う姿勢を見せた。松本側の弁護士は「週刊文春」が報じたA子、B子についての特定を求めたが文春側は回答しなかった。閉廷後の松本側の弁護士が取材に応じ、和解について「民事訴訟なので一般論としてはあり得る」ものの「今のところわからない。そういう兆候はない」と否定していた。
吉本興業は「弊社所属タレント 松本人志の代理人弁護士より、本日、一部週刊誌報道に関して提起した損害賠償請求等訴訟について、裁判を終結した旨の連絡を受けましたので、お知らせいたします。以下、松本人志の代理人によるコメント全文を記載いたします」と報告。
松本の代理人弁護士・田代政弘氏らの連名で「これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました」と説明した。
「松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます」とし、「尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です」と明かした。
「この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします」と記した。
最後に、吉本興業は「関係各所およびファンの皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたこと、改めてお詫び申し上げます。松本人志の活動再開につきましては、関係各所と相談の上、決まり次第、お知らせさせていただきます」と伝えた。
松本は裁判に注力するため、今年1月に芸能活動休止を発表。これに伴い、自身がレギュラー出演していたテレビ番組への出演を見合わせた。年末には松本が毎年審査員を務めている漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』も控えており、その去就に注目が集まる。
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