イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの攻撃の応酬が激化するなか、ヒズボラはイスラエルの最大都市テルアビブ郊外にある情報機関の本部に向けて弾道ミサイルを発射しました。
ヒズボラは25日、声明を出し、イスラエル中部テルアビブ郊外にある情報機関「モサド」の本部に向けて弾道ミサイル1発を発射したと発表しました。声明でヒズボラは、イスラエルがヒズボラの幹部を殺害したことや、戦闘員らが所有していた通信機器を爆発させたことに対する報復だとしています。
一方、イスラエル軍はヒズボラからのミサイルを迎撃したうえで、レバノン南部にあるミサイルの発射地点を空爆したと発表しました。
パレスチナ自治区ガザでの戦闘をめぐり、イスラム組織ハマスに連帯を示すヒズボラは去年10月以降、イスラエル軍との交戦を続けていますが、これまではイスラエル北部への攻撃が中心で、射程の長いミサイルを用いてテルアビブ郊外に攻撃するのはこれが初めてです。
イスラエルはヒズボラの影響力が強いレバノン南部を中心に空爆を続けていて、レバノンの保健当局によりますと、23日と24日の攻撃ではあわせて子ども50人を含む558人が死亡したということです。
また、イスラエル軍は24日に行ったレバノンの首都ベイルート南部への空爆で、ヒズボラのミサイル・ロケット部隊トップを殺害したと発表しました。ヒズボラ側も死亡したことを認めています。
そして、イスラエル軍は25日、イスラエル北部での作戦のため、予備役の2旅団を招集すると発表しました。これにより「ヒズボラとの戦闘継続とイスラエルの防衛が可能になり、イスラエル北部の住民が自宅に帰還できるような状況を整えることができる」としています。
これに先立ち、イスラエル軍の北部司令部の司令官は「作戦が新たな段階に入った」と述べていて、今後、戦闘が一段と激化することが懸念されます。
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