レバノンの武装組織ヒズボラの戦闘員が所持するポケットベルのような通信機器が次々と爆発し、2500人以上がケガをしました。背景にヒズボラと対立するイスラエルの諜報(ちょうほう)機関が関与した可能性が報じられています。
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https://news.ntv.co.jp/category/international/209bd5e980de4528b7ab085b5d6ad024
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レバノンの首都ベイルートのスーパーマーケットの防犯カメラが、果物を手に取った男性のカバンが突然、爆発する様子をとらえました。
17日、レバノン各地で武装組織ヒズボラの戦闘員らが持っていたポケットベル型の通信機器が次々と爆発。一連の爆発で子どもを含む9人が死亡、約2750人がケガをしました。
数秒間のブザー音の後、ポケベルが一斉に爆発したという不可解な事件。
レバノンを拠点に活動するヒズボラは、去年10月のパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘開始以降、イスラエルとの対立が激化。7月にはイスラエルがヒズボラの司令官を空爆により殺害するなど、報復の応酬が続いています。
こうした中、ヒズボラの指導者ナスララ師は今年初め、位置情報からイスラエルに情報が漏れることを防ぐため、戦闘員に対して携帯電話の使用を制限。代わりに傍受されにくい連絡手段として、数か月前から使うようになったのがポケベルだったのです。
そんな中で起きた一斉爆発。アメリカのニューヨークタイムズは、背景にイスラエルの諜報(ちょうほう)機関モサドがいたと報じました。モサドがポケベルの電池付近に少量の爆発物と遠隔操作が可能な起爆装置を仕掛けていたというのです。
なぜ、このような仕掛けをすることができたのか。イスラエルの情報機関に詳しい専門家は…
日本大学危機管理学部 小谷賢教授
「今回のやり方は前例のないもの。イスラエルの得意なサイバー攻撃と爆弾、得意分野を結びつけた攻撃になった。ヒズボラとしては“スマホを持っているとモサドに狙われる”という恐怖心があったので、“ポケベル”なら大丈夫として使っていた。その“ポケベル”にモサドが爆弾を仕掛けたということで、裏の裏をかいた形」
爆発したポケベルは台湾メーカーのものでした。しかし、メーカー側はライセンスをもつヨーロッパの別の会社が製造したものだと説明しています。
日本大学危機管理学部 小谷賢教授
「イスラエルと全く関係ない民間会社であれば、製造段階で爆弾を仕掛けるのは考え難いので、配布などの流通の段階で仕掛けられたのではないか」
ヒズボラはイスラエルの犯行だと断定した上で、「敵は正当な罰を受ける」と報復を示唆しています。
一方、イスラエルは公式な反応は示していないものの、ネタニヤフ首相が17日、ヒズボラとの戦闘が続くイスラエル北部に避難住民を帰還させることを目指すと表明。
専門家は爆発でヒズボラ内部を混乱させ、今後はイスラエル軍が北部での軍事活動に注力するとの見方を示しています。
(2024年9月18日放送「news every.」より)
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