まさかの関東で冠水・土砂崩れ 東西大動脈寸断で大混乱 台風10号“遠隔豪雨”【報道ステーション】(2024年8月30日)

台風10号は、ゆっくりとしたスピードで進んでいて、近畿地方へと移動する見込みです。

台風から遠く離れた場所でも強い雨が降り、冠水や土砂崩れなどの被害が相次ぎました。

警戒すべきは、29日まで4日連続で夜に線状降水帯が発生していること。東海や四国、近畿で、線状降水帯の予測情報が出されています。

29日夜から関東や東海でも、記録的な大雨となっていて、災害の危険度が高まっています。

神奈川県平塚市。目が覚めると、街が水に埋もれ、車のタイヤが見えないほどの深さになっていました。

購入して、まだ3カ月だった車の持ち主は。

車が水没した人
「多分、廃車になるんじゃないですかね」

平塚市では、8月の観測史上最大となる雨を観測。河川が氾濫する恐れが高いとして、避難指示が出されました。平塚市では、複数個所で土砂崩れが確認されています。

二宮町を流れるいつもは穏やかな葛川は、水があふれ、2車線分の道路が見えないほどに。流域の住人に、一時、警戒レベル5の『緊急安全確保』が出されました。

水が押し寄せている店舗。しばらくしたあと訪れてみると、水は引いていましたが、ブルーシートがかけられています。ガラスが割れてしまったようです。

店の人
「(Q.お店の中は)もう、むちゃくちゃ。泥水に浸かって、家具から何からひっくり返って。レジから何からひっくり返って」

小田原では、たった1日で、2カ月分の雨が降りました。
住宅の土台が崩れ落ちた現場では、その下にある墓地の墓石が押し倒されています。小田原城にある小さな遊園地の斜面、小田原競輪場でも土砂崩れが起きました。

伊勢原市と秦野市を結ぶ国道246号の新善波トンネルでは、走行中の車2台が土砂崩れに巻き込まれました。運転手は、車の外に逃げ出せて無事だったといいます。

秦野市では、小田急小田原線の線路脇で盛り土が流れ出ているのが見つかり、一部区間で、終日、運転見合わせとなっています。再開の見込みは立っていません。

東京・渋谷では木が倒れ、道路をふさぎました。発達した積乱雲が通過していて、瞬間的に突風が吹いた可能性があります。

世田谷区の用賀では、取水施設の工事現場から流れ出た水で冠水が起きたようです。

29日夜からの激しい雨で、都内を流れる河川も増水。目黒川では、一時、『氾濫危険情報』が出されました。

首都圏外郭放水路。地下深くにあるこの施設は、川の増水による被害を減らすための、いわば、巨大な水槽。増水した川の水を、いったんここに貯めて、江戸川へと流します。江戸川への排水は、今年度初となりました。

交通の混乱も、まだ続きそうです。
東海道新幹線は、始発から、東京ー新大阪間の全線で運転を見合わせました。

それでも東京駅には、目的地に向かおうとする人たちの姿がありました。

広島へ行きたい人
「いったん北へ行って、そこから大阪へ下りて、そこで待つ。徐々に広島に近づいていこうと」

大阪へ行きたい人
「(Q.大阪までどうやって帰る)北陸新幹線。敦賀に行って、敦賀からサンダーバードで新大阪。(Q.時間かかるのでは)だけど、帰れるから」

列島を東西に貫く大動脈が寸断され、多くの人が選んだのが北へう回するルートです。JR東日本は、急きょ、北陸新幹線で3本の臨時列車を運行しました。その影響で、近畿や名古屋方面への列車が乗り入れる敦賀駅は、大混雑です。

臨時便は空にも。
東海道新幹線の運休を受け、羽田と伊丹を結ぶ路線などを中心に、全日空が14便、日本航空が11便の臨時便を運航しました。

東京へ帰る人
「きのうの段階で東京に帰る予定だったが、それができず。新幹線も飛行機も取れなかったが、いまやっと取れて、これから帰る」

移動できた人もいれば、できなかった人も。

広島へ行きたい人
「広島方面に行くために岡山か名古屋まで行こうと思ったが、関西方面、全部バス止まっている。友だち探して、宿泊しようと思います」

東海道新幹線は、31日も三島駅ー名古屋駅の間で、終日、運転を見合わせるとしています。

台風が遠ざかった九州。まだ油断できません。

大分県由布市では、30日も街なかに水が流れ出ていました。
由布市では、新たな被害も見つかっています。山の斜面が崩落して、大量の土砂が大分自動車道を埋め尽くました。復旧の見通しは立っていません。

29日、『緊急安全確保』が出された国東市。この集落は、橋の一部が崩落して、4世帯7人が孤立状態になっています。

近所の人
「(Q.この辺でこんなに強い台風が来たことは)ちょっと初めて。国東は災害のない土地柄と言われていたけど」

被害の調査を行うのも、一筋縄ではいきません。

国交省九州地方整備局大分河川国道事務局・甲斐猛技術副所長
「我々も、山越えするつもりだったが、いたるところで土砂崩れや倒木があって、非常に多くう回して、たどり着くまでに相当な時間を要しました」

福岡県築上町では、橋の半分以上が崩れ、その一部が、90度回転した状態で落ちています。
川の下流で、男性の遺体が見つかりました。29日夜、川の様子を見に行って行方がわからなくなっていた80代の男性と判明しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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