“歩く肺炎”とも呼ばれる感染症が今、子どもたちを中心に流行しています。一体、どんな症状で、どんな対策が必要なのでしょうか?
お盆明け初日。19日、大阪市内の小児科クリニックには、せきをする多くの子どもたちが診察に訪れていました。
母親
「きのう熱上がって、今はまた下がって」
院長
「きのう何度ぐらいでした?」
母親
「38度ぐらいまで上がってたかな。せきしたら、胸痛い言うから」
11歳の男の子は先週木曜日(15日)から最高38.6度の発熱があり、せきが止まらない状態が続いているということです。
院長
「マイコプラズマ陽性でした」
「抗原検査」の結果、「マイコプラズマ肺炎」だと診断されました。マイコプラズマ肺炎は、細菌の一種「マイコプラズマ」による感染症で、患者の多くは、小・中学生など14歳以下の子どもが占めています。主な感染経路としては、飛まつ感染や接触感染があげられます。
感染から発症までは2週間~3週間程度と、潜伏期間が長いのが特徴です。そのため、出歩いて人にうつしてしまうことも多く、“歩く肺炎”とも言われています。
くぼたこどもクリニック・久保田恵巳 院長
「一日10人以上はマイコプラズマの患者さんが最近来ている。ここ1か月で急に数が増えてきた。ここまでの大流行は何十年ぶり」
今、全国的に流行していますが、大阪府では7月29日からの7日間、1医療機関あたりの患者の数は「3.89」人と、全国で最多となりました。 これは、今の集計方法になった1999年以降、大阪府では最も多い報告数だということです。最新のデータとなる翌週も「3.72」人となり、患者数が多い状況は続いています。
一体なぜ、今、流行しているのでしょうか?“歩く肺炎”に有効な対策は?
大阪公立大学 大阪国際感染症研究センター・掛屋弘センター長
「コロナの流行していた数年間、私たちがマスクをして手洗いをして、マイコプラズマに感染した人がほとんどいなかったことで、抗体が減ってきている。保有している人がいないので、感染しやすい人たちが増えてきている」
来週には新学期が始まる学校が多く、より一層の警戒が必要だと指摘します。
大阪公立大学 大阪国際感染症研究センター・掛屋弘センター長
「(マイコプラズマ肺炎は)今一番子どもたちに多い感染症ですので、学校が始まることで、また子どもの間で流行する可能性がある。手を洗う、マスクをするという基本的な感染対策が、いろんな感染症を予防する方法」
マイコプラズマ肺炎だけでなく、新型コロナや手足口病など、感染症が流行している今年の夏。引き続き、基本的な感染対策が求められています。
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