チェスのライバル選手に毒を盛る卑劣な犯行。カメラは全てを見ていました。
ロシアで行われたチェスの大会。対局前の会場にアバカロワ選手(40)が入ってきました。アバカロワ選手は2023年、別の大会で優勝した実力者です。
会場に入ると、袋の中から何かを取り出しました。そして、テーブルの下に袋を置くと、1つ隣のテーブルへ。そこはライバルの女性選手が座る席。
アバカロワ選手は、さりげなく右を向き周囲の様子を確認しているようです。
この直後、手にしていたものから何かをこぼし、置かれていた駒をはけ代わりに、テーブルとチェス盤に塗り付けました。
そして、何事もなかったかのように他の人に声をかけ、会場を後にしたのです。
その後、行われたチェスの大会。席に座ったのはライバル選手のオスマノワ選手(30)。対局中、ひどい吐き気とめまいに襲われ、救急搬送される事態となりました。
アバカロワ選手が塗り付けた物質の正体は、人体に極めて有害な水銀。
海外メディアによると、その後、拘束されたアバカロワ選手は水銀を塗ったことを認め、動機について「個人的な敵意だった」と話したといいます。
“長年のライバル”だったという2人。いずれもチェスの指導者でもありました。
ロシアのチェス連盟は、アバカロワ選手を一時、大会出場停止処分とし、“永久追放”も検討しているということです。
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