「子育て支援金」は対策に逆行?増税ではなく“保険料増”ならいいの?野党追及 政府「実質的な負担は生じない」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

政府が少子化対策の財源として徴収する「支援金」をめぐる議論。きょうも国会で審議が行われ、野党側は「国民負担が増え、少子化対策に逆行する」と追及を強めています。

■「子育て支援金」めぐり論戦、負担増で少子化対策に逆行?

きょう、国会で野党が追及したのは子育て支援金をめぐる財源についてでした。

立憲民主党 大西健介 衆院議員
「結局、国民のアレルギーが強い増税を避けるために(支援金に)保険料を使っちゃえって、こういう一線を越えたんじゃないかと思うんですけども」

支援金を保険料から賄うのは、いわゆる“増税隠し”ではないかと問いただしたのです。

加藤鮎子 こども政策担当大臣
「(支援金制度は)連帯によって全世代・全経済主体が子育て世帯を支える仕組みであり、支援金は保険料と整理されるもの」

さらに、野党は社会保険料が増えることによって手取りが減少することに懸念を示します。

立憲民主党 大西健介 衆院議員
「国民負担に占める社会保険料負担費が4割を超えている。安定的な経済基盤が築けなければ、結婚も出産にも踏み切ることができない。少子化対策に逆行するものだと思いますが」

加藤鮎子 こども政策担当大臣
「支援金制度は歳出改革等により保険料負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で構築するため、全体として実質的な負担が生じない。少子化を促進することもないと考えております」

政府はおととい、年収ごとの支援金の負担額について試算を公表し、▼年収400万円の場合、月の負担額は650円、▼年収600万円の場合、1000円、▼年収1000万円の場合、1650円としています。

野党側は「歳出改革は取らぬ狸の皮算用で、支援金による負担が増えれば、さらに労働者の手取りが減る」と迫りましたが、政府はきょうも「実質的な負担は生じない」と、これまでと同じ答弁を繰り返しました。

日本維新の会 足立康史 衆院議員
「総理がしょうもないこと言うからですよ、『実質的な追加負担を生じさせない』とか。トップがしょうもないことを言うと、チームは無理をするんですよ」

負担をめぐり様々な数字が入り乱れるなか、与党内からも「丁寧な説明をしてもらいたい」との声が出ています。

■「子育て支援金」財源確保に「保険料」引き上げは筋違い?

井上貴博キャスター:
「金額が高い低い」の議論の前に、医療保険の保険料というのは“医療費リスクを回避するため”に納めているもので、根本的に違うと感じます。また、そこに手をつけるのであれば、例えば高齢者の窓口負担、医療費を引き上げるなど、本腰を入れるべきで、「小手先で取れるところから」というのをすごく感じます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
そもそも、負担額というのは、全体の国民負担が約6500億円あり、それを1億2000万で単純に割った数字です。なので、「赤ちゃんからお年寄りまでの国民全体で割ったら500円でした」という相当いい加減というか、ざっくりした数字です。なので、人によって違いが出てくるのは当たり前で、今になって問題になっている、ということ。

また、井上キャスターが言われたように「保険料というのは医者にかかったときのためのお金」なので、それを「子育て支援金」として振り分ける、というのはどう見ても筋が違う気がします。やはり、ある程度負担が必要であれば、“富裕層増税”をするなど、税により確保することが本来は必要だと思います。

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