2023年4月、鹿児島県姶良市の認可保育園で、生後6カ月の女の子がすりおろしたリンゴを食べた後に窒息状態となり、その後死亡した事故で、17日、検証委員会の中間報告がありました。委員会は「直接的な事故原因の特定は難しい」と判断し、今後、再発防止策を検討する考えです。
この事故は2023年4月、姶良市の認可保育園で、保育士が生後6カ月の女の子に生のすりおろしりんごを食べさせた後あおむけに寝かせたところ、女の子が窒息状態となり、約1カ月後に死亡したものです。
女の子の死因は、食べ物を気道に詰まらせて窒息したことが原因とみられる多臓器不全でした。
事故の発生を受け、姶良市は医師や大学教授などで構成される検証委員会を立ち上げ、原因分析や再発防止策の検討を行ってきました。
17日の中間報告では、伊東安男委員長が報道陣の前で事故原因について次のように話しました。
検証委・伊東安男委員長
「正直言って我々は専門家でもなく警察でもありませんので、検証委員会の限界というか原因究明までは難しいという判断をした」
委員会では園や遺族、女の子の担当医などから聞き取りを行ったものの、事故原因は特定できなかったとしました。
また、報道陣から園の対応について問われた委員長は。
記者
「当該保育園でリンゴを提供する手順にミスはなかった?」
伊東委員長
「現場に行きリンゴをすりおろすところから一連の作業について確認したが、それを見る限りどこに問題があったかは正直分かりませんでした」
遺族側は入園前に園が「生の果物を与えないようにする」と答えていたにもかかわらず、生のすりおろしりんごを与えた点を問題視していましたが、委員会は遺族側と園側には認識に違いがあるとしました。
伊東委員長
「検証委員会としては双方の意見を聞いている。一方の意見だけを取り入れることにはならない」
今後、委員会では再発防止策を検討し、3月までに報告書をまとめたい考えです。
女の子の遺族はこの中間報告に対し「原因究明なくして有効な再発防止策はたてられない。私たちの立場に立って、発生原因の分析をしてもらいたい」とコメントしました。
一方、園は「検証委員化による調査も踏まえ再発防止の取り組みを行っていきたい」としています。
この事故をめぐっては、引き続き警察による捜査が続けられています。
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