野菜高騰 “お代わり無料”キャベツに注目…静岡県内の畑で白菜“9割廃棄”も

県内で6店舗を展開するとんかつ専門店「かつ銀」です。こだわりの豚肉をサクサクの衣で包んだトンカツが売りですが、いま、注目を浴びているのが…。
 とんかつのお供に欠かせない、キャベツです。
 <店員>「キャベツの千切りお待たせしました。どうぞお召し上がりくださいませ」
 「かつ銀」では、自慢のとんかつの他に、キャベツなど自由におかわりが出来るコーナーが人気となっています。このところの野菜の価格高騰でがぜん、注目度が上がっています。
 <来店客>「ここに来た時にキャベツを一気に食べようと思っている。普段スーパーでは価格が高いので助かります」「スーパーでの価格は高いですよね。でも野菜は食べたいしね」
 一方で、店側にとっては野菜の高騰がどうしても重くのしかかります。
 <富村英一店長>「去年と比べ仕入れ値が2倍です。大変です。他の野菜も価格が上がってきています」
 ニンジンや大根といった野菜全体の仕入れ価格も上がってきていますが、お代わり無料サービスは今後も続けていく方針です。
 <富村英一店長>「(緊急事態宣言解除後)だんだんと客が戻ってきた。ランチの時間でも席が埋まるようになりました。野菜のおかわり自由をやめることは考えていません。(Q.値上げすることは?)いまのところはないです。安心して下さい。ぜひいっぱい食べていっていただきたいと思います」
 この夏の異常気象で長引く野菜の高騰。9月2日、農林水産省は野菜の価格について高値のピークはある程度超えたとしながら、キャベツやハクサイといった葉物野菜はまだ高値が続く見込みと発表しました。いったい何が起きているのか?県内の産地に行くと、葉物野菜の異変が目に見える形で表れていました。
 <生産者・内藤和也さん>「(Q.かなりみずみずしくてきれいですね?)見た目はきれいなんですが、中を切ってみると、芯の部分がとけています。こうなると売り物にはなりません。廃棄になります。(Q.この畑で何割くらい廃棄ですか?)8000株ほど植えられているのですが、9割廃棄です」
 三島市内の若手生産者「のうみんず」が、5年前から栽培を始めたミニ白菜です。こちらの畑では、7月上旬に種をまき8月下旬から収穫を始めたばかりでしたが、中の芯の部分が傷んだり葉がとけてしまっていました。ほぼすべてのミニ白菜を廃棄に追い込んだのは7月の長雨と8月の猛暑です。
 <生産者・内藤和也さん>「病気ではない。必要な栄養が吸えなくて障害が出てしまう。長雨や乾燥によって、外側だけ成長して中に必要な栄養がいかない。悲しい気持ちですが、ダメになった部分を取り除けば食べられます」
 生産者が手塩にかけて育てた野菜を無駄にはできないと、9月4日、内藤さんの畑にはJAの職員や三島市の職員が集まりました。
 <JA三島函南 外岡賢大さん>「葉先の傷んでいる部分を切ってもらえれば食べることができます」
 少しでも食べられる部分を有効活用しようと、収穫作業が行われたのです。JA三島函南では、出荷できなくなってしまったミニ白菜を、楽寿園の動物たちのエサとして活用してもらったり、三島市内の飲食店や福祉施設で使ってもらうことにしました。思わぬプレゼントに動物たちも大喜びです。
 <JA三島函南 外岡賢大さん>「少しでも使ってくれるところはないかなと話をしていて、動物に食べてもらえればと」
 <楽寿園 山川晃園長>「ありがとうございます。本当によく食べる。おいしいんだと思います」
 <JA三島函南 外岡賢大さん>「生産者も有意義にミニ白菜が使われて喜んでいます。(Q.動物たちにも野菜のおいしさが伝わった?)勢いよく食べているのでおいしさは伝わったと思います」

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