第2延坪海戦, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=753817 / CC BY SA 3.0

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第2延坪海戦

第2延坪海戦(だいにヨンピョンかいせん、、)は、2002年6月29日に黄海延坪島付近で発生した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の北方限界線を原因とする北朝鮮と大韓民国(韓国)の艦艇による銃撃戦のことである。

発生当初から西海交戦と呼ばれていたが、2008年4月8日、韓国国防部は正式名称を第2延坪海戦に変更したと発表した。同時に、1999年に起きた延坪海戦の名称も第1延坪海戦に変更された。「西海」とは朝鮮半島の西側にある海、つまり黄海をさす。

6月29日の午前9時54分(韓国標準時)、西海艦隊砂串第8戦隊司令部トンサン岬海軍基地警備戦隊第5編隊所属の警備艇「トンサン岬388号」1隻が黄海の北方限界線(NLLとも呼び、国連軍司令部が朝鮮戦争直後に定めた物。北朝鮮側は認めていない)を侵犯した。さらにその数分後には、同第7編隊所属の「トンサン岬684号」も侵入したため、韓国海軍第2艦隊司令部も同海域に232高速艇編隊所属のチャムスリ級哨戒艇2隻を派遣した。計4隻の艦艇が接近したとき、北朝鮮側トンサン岬684号が発砲し、韓国哨戒艇357号の操舵室を直撃した。哨戒艇は炎上し、交戦不能に陥る。もう1隻の哨戒艇は砲撃を受けなかったので応戦、さらに韓国側は近海にいた哨戒艦2隻を緊急出動させる。

計3隻の攻撃によってトンサン岬684号は炎上する。しかし、炎上した警備艇は発砲しつつ北上を続け、トンサン岬388号と共に北朝鮮側海域に戻ることに成功する。

韓国海軍は北朝鮮海域まで警備艇を追うことはせず、砲撃を受けたチャムスリ級哨戒艇357号を曳航しつつ帰還したが、帰還途中に357号は沈没した。

韓国側は、この交戦によって戦死4名、負傷者19名、行方不明者1名(後に357号引き上げ作業時に遺体で発見)、さらに哨戒艇1隻沈没という損害を受ける。また、負傷者1名が後日、病院で死亡した。

北朝鮮側の損害は、トンサン岬684号の帰還直後、乗組員を乗せたと思われる大型ヘリコプターが平壌順安飛行場へと飛び立った事から相当数の死傷者が出たものと推測された。合同参謀本部軍事情報部長の権栄達少将は、死亡13人、負傷者25人の計38人と結論付けた。

一方で、当時第8戦隊所属の水兵であった脱北者によれば、死者は艦長、機関長、操舵手の3名、負傷者は5、6名程度に過ぎないとされる。

韓国国防部は、北朝鮮艦艇が全く躊躇なく発砲してきたこと、そしてその後すぐに反転して逃げ去ったという行動などから、この交戦は朝鮮人民軍が緻密に計画した奇襲であったと発表した。

しかし、戦死者まで出たにもかかわらず、韓国国民の関心は高まらなかった。韓国では当時、日韓ワールドカップが開催されており、事件直後こそ国民の関心は非常に高かったものの、韓国代表がワールドカップベスト4の快挙を成し遂げていたため連日テレビのニュースはワールドカップ関連一色であったこともあり、すぐに関心は低くなった。

韓国政府も、当時の大統領である金大中が太陽政策を推進していたこともあり、また北朝鮮が「偶発的」と主張しつつも遺憾の意を表明したこともあり、北朝鮮に対する具体的な圧力・制裁などは行わなかった。

殉職した軍人の1周忌にも、政府の関係者は姿は見られず、国民の関心も低く、遺族は暗澹とした気持ちになったという。事件で夫を失ったある韓国人女性は、韓国に失望しアメリカ合衆国に渡ったという。毎年6月29日には韓国で海軍主催による追悼式典が行われているが、盧武鉉大統領は参加しておらず、2007年になってはじめて首相(韓悳洙)と合同参謀議長(金寛鎮)の参加が実現した。しかし追悼式典そのものも2007年を最後に行われないことが決定していた。

一方で、この事件に関心を持ち続けた人たちもおり、2007年6月28日に進水の韓国海軍次期高速ミサイル艇(犬鷲型ミサイル艇)の名称が、戦死者の一人である357号艇長・尹永夏(ユン・ヨンハ)少領(死後階級特進。少佐に相当する階級)から採られる事が決定した。初代艦長に第1延坪海戦で活躍した安志栄少領(海軍士官学校第47期)が任命された。

大統領選の公約のひとつとして「死傷者全員の補償および礼遇」を掲げて当選した李明博の意向により、海軍第2艦隊司令部の主催で行われていた式典が政府行事となる事が決まったほか、記念日の制定も検討していることが明らかにされている。

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