国民の政治への不信感が強まるなか、16日から確定申告がスタートします。岸田文雄総理大臣が「適切な申告・納税を」と呼び掛けた国会答弁への批判が高まっています。
■確定申告前に…SNS批判噴出
岸田総理は14日の国会で、「それぞれの納税者の皆様方に法令にのっとり、適切に申告・納税を行っていただくようお願いを申し上げたい」と国民に呼び掛けました。
発言から24時間以上経った15日も、SNSには「岸田首相の納税呼びかけ」「納税拒否」がトレンドに入り続けていました。
15日の国会でも…。
立憲民主党 鎌田さゆり衆議院議員
「あすからの確定申告で、皆さん公正に正しく申告をして納税をしましょうというキャンペーンを張っていらっしゃるのに、政権与党の最大政党の自民党がこのざまですよ」
収支報告書に記載されず、使途不明となっているお金には課税すべきだと追及しました。
■法人事業者「自身のことしっかりやって」
岸田総理の納税の呼び掛けを、街の人はどう受け止めているのでしょうか。
法人事業者 お茶の専門店
「正直言って、ご自身のことをしっかりやってください。僕らから言うと脱税にしかみえないように思うので」
16日から始まる確定申告。ダイニングバーを経営する鈴木淑子さんも準備に追われています。
鈴木さん
「日々の売り上げとか支出とか固定費とか…そういうものも全部出していかなくちゃいけない。確定申告は地獄です。1~2カ月前から頭が痛くなっちゃう」
売り上げなどをタブレットに一つひとつ入力している最中で、7割ほど終わったところだといいます。
■83歳店主“帳簿はすべて手書き”
一方、新宿にあるハンコ店では…。
三賞堂(個人事業主)店主 安野三千雄さん(83)
「(Q.全部手書きだが、ご自身で記入している?)私が全部、自分で伝票を起こしている」
「(Q.どなたかに手伝ってもらうのは?)いや、私1人でやっていますから、全部自分ですね。毎日、毎月きちっとやっています。ためちゃうと大変ですから」
笑顔で話す安野さんは、ハンコ店を創業して60年、発注から製作・販売まですべて1人で切り盛りしています。
安野さん
「(Q.月ごと?)そうです。これが1カ月分になる」
封筒の中身を見せてもらうと、数十枚の伝票が入っています。日々たまっていく、経費や仕入れなどの伝票を4つの帳簿に分けて、確定申告に備えています。
安野さん
「これ(玄関マットのリース)990円。税込みの金額なんですけど、帳簿の方にリース料として990円。このように載せておきます」
空いた時間を見つけては、伝票を帳簿にまとめている安野さん。1週間分をまとめるのに2時間ほどかかるといいますが…。
安野さん
「(計算が)ちょっと合わないなという時は、それを探すのに約3時間かかっちゃう。それが一番大変です」
安野さんは売り上げのうち、6割を経費に計上しているといいます。
領収書がなければ税務署に経費として認めてもらえず、所得が増え、納税額が上がってしまいます。そのため、正しく会計処理し、確定申告することが必要なのです。
安野さん
「(Q.手書きとなるとミスは許されない?)そうですよ。毎日の作業を手抜きしないで、(帳簿を)つけるというのが一番ですよ」
自民党の二階俊博元幹事長(84)と同年代の安野さんは、今の「政治とカネの問題」をどう感じているのでしょうか。
安野さん
「自分たちには甘いと思いますよ。いろいろ追及があった時とか最終的にはうやむやになっちゃうんじゃないですか。やっぱり自分たちが厳しくやってもらわないと、国民は納得しません」
(「グッド!モーニング」2024年2月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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