警視庁に身柄を確保された、指名手配中の桐島聡容疑者(70)とみられる男が29日、入院先の病院で死亡しました。58歳だったとみられる潜伏中の写真を独自入手。見えてきた逃亡生活とは?
■桐島聡容疑者(70)を名乗った男が死亡 2012年撮影の写真には髭を生やしメガネ姿
髭を生やし、メガネをかけた男。
指名手配されている桐島聡容疑者と名乗った男の写真です。
撮影されたのは2012年9月。58歳の頃の写真だとみられます。
ただ、この男の口から、事件の真相が語られることはもうありません。
2024年1月29日午前7時33分、神奈川県鎌倉市の病院で桐島容疑者(70)とみられる男の死亡が確認されました。病死でした。
桐島聡容疑者(70)とみられる男
「自分は桐島聡です。最期は本名で迎えたかった」
末期がんを患っていた男が前の週に打ち明けたことで、半世紀の時を経て動き出した「連続企業爆破事件」。
桐島容疑者は、過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバーで、1975年に起きた「韓国産業経済研究所」爆破事件に関与した疑いが持たれています。
捜査関係者に、本人しか知り得ない情報を話していたという男。
徐々に潜伏生活の様子がわかってきました。
■「“うっちー”という名でみんな親しく」 約50年の潜伏生活
男は数十年間にわたり神奈川県藤沢市の工務店に、住み込みで勤務。
「内田洋」を名乗っていて、近所には酒を酌み交わしたという人も。
「内田洋」を名乗る男の知人
「『うっちー』という名でみんな親しくしていた。静かに飲んで時々音楽に合わせて軽く踊ったりとか。特にジェームス・ブラウンとか、のりの良い音楽が好きだった」
以前、男の潜伏先のそばに住んでいた男性は、手配写真の面影はなかったと話します。
Q.見た目は?
近所に住んでいた人
「全然だし。感じもいい。近所のあんちゃんという感じで『今日は寒いな』とか『暑いな』という話をよくしていた。東京であれだけの事件を起こして、こんな電車で1時間くらいの所にいるなんてまさか」
周囲に気づかれることなく生活を送ってきた男。しかし、1月中旬…
男を助けた近所の人
「通りかかった時に倒れて、『うー』という感じ。しゃがみ込んでいた」
自宅のそばで倒れた男は、自力で立ち上がることができず、自動販売機の前に座り込んでいたといいます。
男性が、男を支え自宅へ送り届けると…
6畳ほどの部屋にはストーブが2個置かれ、段ボール箱などが散乱して足の踏み場も無かったといいます。
男を助けた近所の人
「相当痩せたなという感じ。(手配写真の)3分の2くらいまで痩せている」
一方、桐島容疑者とみられる男が死亡したことを受け、連続企業爆破事件の被害者の家族は…
連続企業爆破事件で夫が負傷した女性
「罪の意識が出てきて、本音を語ったのか、自己満足か分からないけど、もうちょっと長く生きて、自分の言葉で事実を話してもらって、罪を償ってもらえたらよかった」
警視庁は、男のDNA型の鑑定を進め、身元の特定を急ぐとともに、潜伏を支援していた人がいる可能性もあるとみて調べています。
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