能登半島地震「発生から72時間」捜索続く “炊き出し”に涙…水不足続く

最大震度7を観測した能登半島地震は、生存率が下がるとされる発生から72時間が経過した。
倒壊した住宅にいたとみられる13歳を助け出そうと、懸命の捜索活動が行われた。

倒壊した家屋が幾重にも折り重なり、道路を完全にふさいでいた石川・穴水町の由比ヶ丘。

4日午前9時ごろ、崩れ落ちた集落に近づいていく住民の姿があった。

住民「自宅がそこなんですけど」、「(当時は?)職場で2日間、そこで被災して、夕べ帰ってきて、今初めて(自宅を)見に来た」

指さす先には樹木や電柱に押しつぶされた真新しい家屋があった。

住民「新築のおうちがこうなんですよね…」

自宅があった辺りの状況を確認するため、さらに奥へと進むと、目の前には倒壊したいくつもの家屋が…。

この地区では、倒壊した住宅にいたとみられる60代の夫婦とその孫で13歳の少年が行方不明になっている。

取材した時点で、地震発生からおよそ65時間が経過。
生存率が下がるとされる「発生から72時間」が迫る中、懸命の捜索活動が続いていた。

穴水町の神社では鳥居が根元から折れ、大きな石が砕けていた。

今も不明者の捜索が続くこの地区で、発生当時、崩れた家屋に閉じ込められた住民の救助を手伝ったという人に話を聞いた。

救助を手伝った人「ここから『助けて!』という声が聞こえたので、この車の中に4人ともいたんです」

崩れた家屋の下敷きになった車に閉じ込められたのは、4人の家族。
しかし、家の裏側にあった隙間を発見し、無事、脱出することができたという。

この地区では今も住民数人の行方がわかっていない。

午前9時過ぎの石川・珠洲市で、倒壊した家屋の中に声をかけているのは神奈川県警の救助隊。
中に人がいる可能性があるため、応援部隊を呼び、捜索活動を続けた。

地震発生から4日目を迎え、自宅の状況確認に訪れた家族の姿もあるが、そうしたさなかにも地震が発生。
相次ぐ地震で被害はさらに拡大するおそれがある。

崩れた寺の住職「まだまだ震度5が続きますからね、だんだん崩れてくると思います」

4日朝の輪島市の朝市通りでは、白い煙が上がっていた。
今もなお、地震による火災の煙がくすぶっていた。

この輪島市内の神社では、出来たてのサツマイモの揚げ物や焼きそばなど、ボランティアによる温かい炊き出しが行われ、行列ができていた。

炊き出しを受けた住民「うれしいね、腹減ってるし。水道も電気も全部遮断されてるし、車の中で寝ている」、「感動の涙です。ありがとうございます」

ボランティアに駆けつけた輪島市出身という女性も故郷への思いが込み上げる。

炊き出しに参加した輪島市出身の女性「正直途中、無残な状態を見て、もうどうしようって胸がいっぱいになったんですけど、皆さん待ってくださるのを見て、来てよかったなって思います」

至るところで断水が発生し、水不足も深刻になっている。

輪島市河井町のふれあいセンターでは、初めての給水に多くの人が列を作った。

給水に訪れた女性「本当にやっぱり涙が出ますよね、つらいです。でもやっぱりみんな同じ状態だから、しょうがない。助け合っていかないと」

最大震度7を観測した能登半島地震は、発生から72時間が経過。
これまでに石川県内では84人の死亡が確認され、今もなお79人の安否が不明。

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/

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