日本列島を寒波が襲う中、真冬に停電し、「暖房が使えない避難所の生活」を想定した訓練が行われました。室内にいても低体温症で命を落とす危険性もあります。訓練には、日本テレビ・災害担当の記者たちも参加。見えてきた課題とは…。
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0:00 冬の気温が氷点下20℃を下回ることもある北海道北見市。21日、日本赤十字北海道看護大学の体育館で行われたのは、真冬に停電を伴う災害がおきたことを想定した“避難所訓練”です。
訓練を監修・運営する日本赤十字北海道看護大学 根本昌宏教授
「万が一、冬に地震・津波がおきたときには、どうなるんだろう。どうやって避難所をつくるのだろうと」
北日本で発生が懸念される巨大地震。地震による津波から逃れられたとしても、体がぬれたことなどによる低体温症で死亡する可能性がある人が、最大4万2000人にのぼるといいます。避難先で命を落とさないために、どのような課題があるのでしょうか。
0:59 訓練では午後2時すぎ、外の気温は氷点下6℃。暖房がついていない体育館は、3℃しかありませんでした。
こうした中、「真冬の体育館で眠れるか」検証が始まりました。記者も参加し、まず、毛布にくるまります。
日本テレビ社会部・災害担当 内藤ミカ記者
「背中、腰、お尻が冷たくて、これは3分も寝てられない」
続いて、寝袋に入ってみました。
日本テレビ社会部・災害担当 内藤ミカ記者
「床が冷たくて耐えられないので、体を動かしてみますが、どう動いても寒いです」
――これで、一晩は過ごせる?
参加者
「無理ですね」
「何週間とかは、無理だね」
低体温症を防ぐために使われるのは、近年、避難所で普及し始めている「段ボールベッド」です。
記者
「段ボール、意外に暖かいです」
専門家によると、床に直接寝るのに比べて暖かいだけでなく、足音や振動が伝わりづらいというメリットもあるといいます。
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2:19 また、訓練では「真冬の避難所の感染症対策」についても検証が行われました。
感染症対策には換気が重要ですが、真冬の避難所で窓を開けての換気はできません。そこで、換気をしながら室内を暖められる「熱交換式ジェットヒーター」が使われました。この暖房器具は、新鮮な外の空気を暖めて室内へ送ることにより、室内の二酸化炭素濃度を上昇させないといいます。
2:55 さらに、「氷点下の車中泊はどのような寒さか」検証も。午後10時すぎ、氷点下9℃の中で車中泊の体験が行われました。
車中泊は災害時に選択される避難方法のひとつ。今回は、暴風雪の中、車が立ち往生した想定で、一酸化炭素中毒を防ぐためエンジンを切った車に乗り込みました。
15分経過すると――
日本テレビ社会部・災害担当 中濱弘道記者
「車の中の気温が下がり続けている。-3.5℃くらい」
30分経過するころには――
日本テレビ社会部・災害担当 中濱弘道記者
「鼻とか手とかを完全に中に入れていないと痛い」
専門家は立ち往生に備え、車の中に食料や寝袋などを備えておく必要があるといいます。
3:54 ただ、低体温症や寒さ対策は、寒冷地だけの問題ではありません。
日本赤十字北海道看護大学・根本教授は「夏でも低体温症はおこる。本州だけではなく、沖縄であっても低体温症をおこすことも十分考えられる。ここは日本全国の対策として、お考えいただきたい」と注意を呼びかけました。
(2023年1月30日放送「news every.」より)
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