バックした車に家族の目の前でひかれ死亡したのは、母親と小学1年生の娘だった。親子はなぜ事故に巻き込まれてしまったのだろうか。
26日午後6時半ごろの東京杉並区の道路で、母と子の2人が車にひかれ死亡した。
事故直後の車道には、子どものものとみられる靴や、ピンクのリボンがついた手提げかばんのようなものが落ちていた。
現場は京王井の頭線の高井戸駅から直線で約700メートルほど離れた井の頭通り沿いにある、自動車整備店の前だ。
警視庁によると、死亡したのはイラストレーターの杉本千尋さん(43)と小学1年の娘・凪ちゃん(6)。
2人は26日午後5時過ぎ、自宅に向かって歩道を歩いていた。この時、杉本さんの夫と、もう1人の娘が2人の後ろを歩いていたという。そして4人が自動車整備店前に差しかかった際、店から車がバックで飛び出し、前を歩いていた2人をひいたとみられている。
2人をひいた車は道路を突っ切り、向かいの植え込みに突っ込んで止まった。
目撃者は「女の子が1人泣いていて、もう本当に『助けてー』みたいな感じで泣いていた」と話す。
2人は頭などを強く打ち、その場で死亡が確認された。
過失運転致傷の現行犯で逮捕されたのは、整備工の漆原宏太容疑者(50)。
調べに対し、「整備後の自動車を試運転しようとして下がった」と話しているという。
事故が起きた原因を、交通事故鑑定人の中島博史氏はこう推測する。
交通事故鑑定人 中島博史氏:
「おそらくペダルの踏み間違いで発進して、そこから減速せずに道路を横断してぶつかっていくような状態だったと思います」
「後退の時に急発進をしてしまうと、体が慣性の法則で車の前の方に取り残されるような形になります。加速によって体が前に取り残されるような、ペダルを強く踏み込むような状態だったために、余計に踏み直しがしずらかった可能性もある」
事故現場には27日、多くの人が訪れ、杉本さん親子の死を悼んでいた。
凪ちゃんと子どもが幼稚園の同級生だった女性は、「お互いの家を行き来して、とても素敵で優しくて。何も非がない、どこの1つも悪くない方だったので。突然のことでもう何も考えられないです」「凪ちゃんはかわいらしくて、本当に明るくてお母さんそっくりで、本当にすてきなご家族だったと思います」と悲しみを露わにした。
警視庁は、事故が起きたくわしい状況を調べている。
FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/
powered by Auto Youtube Summarize