ダイハツが全車種を出荷停止 34年前から大規模不正174件…親会社トヨタに衝撃【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2023年12月21日)

 自動車メーカーのダイハツ工業が、認証試験の大規模な不正を公表しました。不正は34年前から続き、すべての車種の出荷を停止する前代未聞の事態となっています。

■衝撃の事実…第三者委「不正行為は合計174」

クリスマスに納車予定 40代
「納車は25日の月曜日、ちょうどクリスマスの日。年末年始が新しい車で、特に年始が新しい車になる。10年前の車よりグレードのいい車で、実家に帰れるのも楽しみにしていた。お店の方からは『まだ全然情報が来てない』と。本当に納車されるんだろうかという不安はある」

 ダイハツの車の納車を待っていた人は不安でいっぱいです。

ダイハツ工業 奥平総一郎社長
「自動車メーカーとして根幹を揺るがす事態であると、大変重く受け止めている。誠に申し訳ございませんでした」

 国土交通省から委託された機関が行った、自動車の安全性を測る実験映像です。ダイハツはこのようにして行われる“衝突試験”などで、前席のドアの部品に本来の仕様にない加工を施していたことが、今年4月に発覚しました。

 こうした事態からダイハツは外部有識者による第三者委員会を設置し、“他の車種にも不正がないか”を調査してきましたが、20日に衝撃の事実が明らかになりました。

第三者委員会 貝阿彌誠委員長
「類似案件として認定した不正行為は合計174。一番古いものは1989年、2014年以降に件数が増加」

■2011年販売の「ミラ・イース」がヒットし…

 新たに発覚した不正は174件。すでに生産を終了したものやトヨタなどへの提供車種を含めると、64車種にも及んでいたのです。

 ダイハツは国内外で販売中のすべての車種の出荷を停止する異常事態になりました。一体、なぜ34年にもわたって不正が行われてきたのでしょうか。

貝阿彌委員長
「認証試験は合格して当たり前。不合格になって開発スケジュールを変更するのは到底ありえない。短期開発の強烈なプレッシャーのなか、追い込まれた従業員が不正行為に及んだ。不正に関与した従業員は、経営の犠牲になったともいえ、強く非難できない」

 大幅に開発期間を短縮して2011年に販売された「ミラ・イース」がヒットしたことで、短期開発が最優先されるようになったといいます。

奥平社長
「増加する開発プロジェクトを短期日程で進めるなかで、経営陣、管理職が現場の負担やつらさを十分に把握せず、困った時に声を上げられない職場環境、風土を放置してきたことにある。すべての責任は経営陣にあります」

■親会社トヨタ“不正の大きさ”全く知らされず

 ダイハツの不正が増え始めた2014年は、7年連続で軽自動車販売数トップだったダイハツが、2位のスズキに追い抜かれた年でした。

2021年にダイハツ・タント購入 50代
「正直、気に入っていた分ショック。一目ぼれで買っていたので」

2021年にダイハツ・タフト購入 50代
「欠陥が出始めた時に、これだけいっぱいダイハツの車がある。どう対処するのかな、心配です」

 親会社のトヨタにも衝撃が走っています。関係者によると、会見に出席した中嶋副社長は、出席していたタイのイベントから緊急帰国しました。

 専門家によれば、トヨタ側は「今回の“不正の大きさ”を全く知らされていなかった」と話します。

自動車評論家 国沢光宏氏
「きのう(19日)、トヨタの幹部の方と一緒にいた。昼ぐらいまでは全く普通だった。情報が夕方ぐらいに入ったらしくて、それから全然態度が違っていて。情報を得た時、相当憤っている人もいた。危機感を持っている人もいた」

■今後の販売は? 専門家「納車は全部凍結」

 不正が発覚し、納車直前の「キャンセル」を検討している人もいます。

ダイハツ・ムーブを納車予定 60代
「土曜日(23日)に納車だった。納車になり乗ったとして、安全が確保できるかどうか不安。私の気持ちはキャンセルするしかない。その選択しかない」

 今後の販売は、どうなるのでしょうか。

国沢氏
「販売停止になった車は、最低で半年。普通に考えたら、1年は新車で販売できないと思う。きょう時点でディーラーに伝達がいっていないかもしれないが、納車は全部凍結になると思う」

 21日、国交省はダイハツ本社に立ち入り検査を行いました。結果次第では、何らかの処分も検討されています。

(「グッド!モーニング」2023年12月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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