海洋進出を強める中国の脅威が日本の空にも及ぶなか、最前線に立つ航空自衛隊那覇基地のF15パイロットにテレビとして初めて密着取材しました。音速の翼で空を駆ける現代の防人、その過酷な訓練とは。
音速を超えた世界の映像です。
航空自衛隊の那覇基地。対中国機の最前線の基地です。
航空自衛隊那覇基地・小原雄基1尉(35):「休日・昼夜問わず、スクランブル(対領空侵犯措置)が下令されたら飛んでいく」
F15戦闘機パイロットの小原雄基さん。
他国の航空機の領空侵犯を未然に防ぐために行う、スクランブル発進などの実任務にあたっています。
航空自衛隊那覇基地・小原雄基1尉:「私が一番、緊張したのは『中国軍機の戦闘機』を目視したこと。本当に最前線で働いているという実感が再認識された」
その訓練に同乗することができました。那覇基地でF15にカメラが同乗するのは初めてです。まず、意識を失わないためにGスーツとよばれる血流を上半身に上げる特殊な服を着ます。
安西陽太記者:「中世の貴族みたい。すごく締めている」
記者も事前に訓練を受けて同乗します。
エメラルドグリーンの南の海の上を飛行していきます。
灰色の厚い雲を抜けると景色が一変、晴天の空が広がります。
富士山のおよそ倍ほどの高さを飛んでいます。
一見、ゆっくりのようにも見えますが・・・。
航空自衛隊那覇基地・小原雄基1尉:「左の速度計があるんですけど、音速を超えている証拠」
地上からでは、決して見ることのない光景が広がります。
航空自衛隊那覇基地・小原雄基1尉:「後ろから飛行機雲が出ています」
安西陽太記者:「こんな近くで出ているの初めて見ました」
そして、耐G訓練。戦闘機パイロットには激しい機体の動きの際に大きな重力加速度「G」が掛かります。
最大時は7.5G、体重の7.5倍の重さが一度に掛かります。
およそ1時間の訓練を終え、小原さんはいつもの点検を行います。
過酷な訓練と緊張を強いられる日々。唯一の息抜きが家族との時間です。
小原さんは那覇基地からすぐそばのマンションで妻と男の子3人の5人暮らし。
妻の友香さんはパイロットの任務が危険な仕事のため、覚悟を決めていて、朝早い時も出勤時は必ず見送るようにしているといいます。
妻・友香さん:「彼自身がそれ(任務)を誇りとして頑張っているから、それについて行く。それを一番に応援したい」
私たちの日常の脅威となり得るのが中国軍の活動です。
取材の日にも偶然、一日に2度、スクランブル発進が行われているのをカメラが捉えました。
関係者によりますと、中国機へのスクランブル発進は今年度も500回を超える見込みで、緊迫した状況が続いています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
powered by Auto Youtube Summarize