【遺族の訴えに「証拠をお見せいただきたい」】宝塚歌劇団の報告書パワハラ認めず ヘアアイロン、暴言、時間外労働…食い違う主張

劇団員の急死をめぐって宝塚歌劇団は14日、調査結果を公表しました。
 ただ、劇団員へのパワハラは認めず、遺族側は反発しています。論点を整理しました。

 (宝塚歌劇団・木場健之理事長)「ご遺族のみなさまには大切なご家族を守れなかったこと、心より深くお詫び申し上げます」
 会見冒頭、宝塚歌劇団の理事長らは謝罪から始めましたが、その後は遺族側の主張と食い違う場面が目立ちました。

 劇団員の女性(25)が亡くなった原因の一つとして遺族側が訴えていたのは、上級生からのパワハラです。
 
 【ヘアアイロン】
 「前髪を巻いてあげる」と熱したヘアアイロンを額に当てられたと主張していました。
 その点について報告書は「看護師によると、当時故人のやけどを見たが、痕には残らない程度のやけどと思われ、ヘアアイロンでやけどをすることは劇団内では日常的にあることであり記録は残していないとのことであった」と記しました。
 
 遺族側は劇団の会見中に会見を始め、即座に反論しました。
 (遺族側の代理人・川人博弁護士)「この報告書の内容は失当(間違い)である。極めて軽傷であるかのように看護師の供述が引用されているだけで、極めて一方に偏した事実の摘示を行ってやけどの程度を報告書は述べています」

 遺族側の反論の内容を劇団側に伝えると・・・。
 (宝塚歌劇団・村上浩爾専務理事)「ヘアアイロンの件については、そのようにおっしゃっているのであれば、その証拠となるものをお見せいただくようお願いしたい」と証拠を要求しました。

 (遺族側の代理人・川人弁護士)「被災者(亡くなった女性)の母親が調査委員会のヒアリングの際に、具体的にリアルに供述した内容を一切引用せずに無視している。皮膚が赤くなって3センチもめくれ上がっている状態だったと証言している。翌日に撮った写真を見ても、化粧などをしてもなお外傷が分かるほどひどい損傷でした」

【暴言】
 女性に浴びせられたという暴言については・・・。
 (宝塚歌劇団・木場理事長)「『嘘つき野郎』『やる気がない』といった発言の有無についてはすべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されておりません」
 (遺族側・川人弁護士)「これだけの悲劇的な事態を招いたにもかかわらず、縦の関係を過度に重視する風潮をそのまま容認し、上級生のパワハラ行為を認定しないのは、一時代前、二時代前と言っても良いかもしれません」

【長時間労働】
 一方、遺族側が訴える「長時間労働」については、劇団側が責任の一部を認めました。
 (宝塚歌劇団・木場理事長)「特に稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら、新人公演の稽古も予定されている中で、長の期(下級生の責任者)としての役割および活動に娘役2人のみであたったことが故人の大きな負荷になっていたものと判断しております」
 このように説明し、女性の過酷な業務実態を十分に把握できていなかったとしています。

 しかし、亡くなる1カ月前の時間外労働は、遺族側の集計では270時間を超えていたのに対し、調査報告書では約118時間とかなりの差が見られました。

【叱責・指導】
 このほか叱責について報告書は、業務上の必要性が認められるとしました。
 また、厳しい指導についても、社会通念に照らして許容される範囲内と表現。結論として、いじめやハラスメントは確認できないということでした。

 調査報告書には、遺族側が提出した「LINE」でのやり取りの記載がなく、遺族が求める謝罪・補償について一切言及はありませんでした。
 
 遺族側と劇団側の間には食い違いが目立ちます。
 外部の弁護士による今回の調査が適切だったのかと問われると、会見で木場理事長は「(劇団員には)『誰が発言したかも分からないので今思っていることを正直に話してください』とヒアリングを受けてもらっているので、そういう意味では本音の部分はかなり出ていると思います」と述べました。

 ただ、ヒアリングをした宙組の団員は62人で、全員ではありませんでした。

 (宝塚歌劇団・木場理事長)「4名がヒアリングを辞退しました」
 (Q.理由は?)
 (木場理事長)「理由はご容赦ください」

 遺族側代理人は、調査結果は不十分だと強く反発しています。その要因を、日本弁護士連合会が調査の方法や結果の取り扱いを公表している「第三者委員会」によるものでなく、「会社からの依頼として発足した外部の調査委員会の限界」と指摘し、事実関係を再度検証すべきだと訴えています。

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