“大麻グミ”で…搬送相次ぐ 繁華街で販売、規制なく 「大麻に手を出したくないけど」

11月4日、東京・小金井市の武蔵野公園で開催された「武蔵野はらっぱ祭り」。

その会場で、ある異変が起きていた。

祭りに参加していた人「お祭りを普通にやってて、グミを配っている人がいるっていうのを、スタッフの方が『もらわないでください!』って言っているのを聞いた」

来場者の男性が配っていたグミを食べた10代から50代の6人が次々と体調不良を訴え、うち5人が病院に搬送された。

FNNは、グミを配っていた男性と20年来の知り合いという祭りの出店者に話を聞くことができた。

男性は40代で、会場ではパッケージに入っていたグミを、1粒ずつ来場者に手渡していたという。

すると、その直後、当時2,000人ほどの人が詰めかけていたという会場に救急車が。

捜査関係者への取材で、男性が配っていたのは大麻由来の成分に似せた合成化合物「HHCH」の文字が袋に書かれた、いわゆる“大麻グミ”などと呼ばれるグミであることが判明。

さらに、その味はマンゴーとホワイトピーチ味だったことがわかった。

このグミは、大阪府内に本社を置く会社が製造したもの。
祭りでの体調不良者が出たことを受け、11月10日、大阪市健康局などが立ち入り調査を行ったことがわかった。

「HHCH」とは、いったいどういうものなのだろうか。

元麻薬取締官・高濱良次さん「大麻取締法に該当しない合成のカンナビノイド、これは最近出てきた。それまではTHCH、これが8月に規制された危険ドラッグとして」

2023年8月、大麻に含まれるカンナビノイドという化学物質の1つ「THCH」という成分が含まれた食品が規制対象になったことを受け、規制対象外の「HHCH」が急速に広まったという。

30代「(グミは)ハードルは下がるでしょ、絶対。本物の違法大麻やらなくて、ちょっと雰囲気楽しんでみたいなって」

東京都内では、問題のグミを食べたあとに体調不良で搬送される事案が、10月以降に相次いでいる。

11月3日、押上駅のホームで男女4人が体調不良で搬送された。
4人は、大麻グミを食べたと訴えていたという。

この4人が食べていたグミも、はらっぱ祭りで配られたものと同じで、味はコーラ味だったことがわかっている。

そこで都内を緊急取材すると、驚きの実態が明らかになった。

グミを売る店舗は都内に複数あり、どの店舗も若者に親しみやすい、おしゃれな雰囲気となっていた。

しゃれたカフェのような雰囲気の店に並ぶ大麻グミ。

1日に80個ほど売れるという店もあった。

しかし、体調不良をもたらす危険性があり、むやみに他人へと渡すことは控える必要がある。

“大麻グミ”などを取り扱う販売店「(他人に配ることでの危険性は?)そうですね、ないとは言わないです。使ったこともない人たちに食べさせたというのは多分(問題)ある。近日中に禁止されるだろうなって思ってます」

祭りの会場でグミを配った男性は、警視庁の任意の聴取に対し、大麻グミとの認識はなく、「自分もよく食べているので、ほかの人にも食べてほしかった」などと話しているという。

FNNプライムオンライン
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