“私人逮捕系ユーチューバー”「煉獄コロアキ」本名・杉田一明容疑者(40)を逮捕 アカウント凍結に「月200万の所得返せよ」 相次ぐ“世直し系”動画投稿なぜ?【news23】|TBS NEWS DIG

「私人逮捕」とは、「現行犯の場合に限り、警察官ではない一般人が容疑者を逮捕する」こと。

いまSNS上で、「私人逮捕」と称して犯罪の疑いをかけた人に一方的に詰め寄る様子などを撮影した動画の投稿が相次いでいますが、13日、名誉毀損の疑いで、煉獄コロアキと名乗る“私人逮捕系YouTuber”の男が逮捕されました。

■“私人逮捕系ユーチューバー”逮捕 “無関係”女性の動画投稿

ジャニーズ事務所のタレントが出演する舞台の会場近くで、女性を取り囲む複数の男たち。

女性に「チケットを転売している」と詰め寄ります。

男「お姉さん、パパ活やってるでしょ。売った金でさ、税金ちゃんと払ってる?」
女性「すみません。一緒に警察行ってもらっていいですか」
男「確定。お金返して、8万円。俺に」

警視庁は2023年9月、スマホで撮影したこの動画をSNSに投稿し、女性の名誉を傷つけたとして杉田一明容疑者(40)を逮捕しました。

警視庁によりますと、女性は不正転売にかかわっておらず、帝国劇場で友人と待ち合わせしていたところ被害に遭ったといいます。女性は観劇のために帝国劇場を訪れていたわけではありませんでした。

それにもかかわらず、杉田容疑者は、このとき撮影した動画を「転売ヤー」「パパ活女子」「8万円返せ」などの文言とともにモザイクなしの状態でユーチューブに投稿したのです。

杉田容疑者は逮捕された際、容疑を認めていたということです。

「煉獄コロアキ」と名乗り、“私人逮捕系ユーチューバー”として活動していた杉田容疑者。“私人逮捕”とは、警察官などではない一般人が逮捕状なしに犯罪の容疑者を現行犯で取り押さえること。

杉田容疑者はこの“私人逮捕”をうたって、犯罪の疑いをかけた人を問い詰める動画をSNSに投稿していました。

杉田容疑者が関わっている別の動画には、チケット転売の疑いをかけた女性がタクシーに乗り込もうとすると手首を掴み、女性に危害を加えているような様子も映されていました。

杉田容疑者のSNS
「ジャニーズ転売ヤー凸でバズって以来案件、会食、打ち合わせ、飲み会、凸が多すぎて、活動初めて1番忙しい!」

その後、ユーチューブのアカウントが凍結され、3日前にこう投稿していました。

杉田容疑者のSNS
「月200万の不老所得返せよ!!」
「これからどうやって飯食えばいいんだよ」

■急増する“私人逮捕系”動画 駅でもみ合う映像も

ただ、こうした“私人逮捕”を称した動画。投稿しているのは、杉田容疑者だけではありません。

Q. “私人逮捕系ユーチューバー”知ってる?

20代学生
「見たことある。X(旧Twitter)かなんかで回ってきたのを見た。“私人逮捕系”のユーチューバーが痴漢の人を捕まえている動画。暴れ回っていて危ない」

10代学生
「ぼったくりのお店に突入して『気を付けて』と注意喚起する動画を見た」

別の人物が駅で撮影し、投稿した動画では、右側の男性が痴漢行為をしたとして左側の男性が詰め寄ります。そして…男性が階段から転落しました。

JR東日本は“私人逮捕系ユーチュバー”の撮影行為について…

JR東日本
「他のお客さまが映るような撮影、またその動画の公開についてお止めいただきたく存じます」

浦川弁護士は、現行犯逮捕には、誰が見ても間違いないという「犯罪の明白性」が必要だとした上でこう指摘しています。

浦川祐輔弁護士
「客観的な真実に合致することを言ったとしても名誉毀損になる。その場面が拡散されるというのは、その人の社会的信用をものすごく低下させるし、かつプライバシーや肖像権の侵害という要素もある」

■投稿された女性「人生壊す行為」

杉田容疑者から同様の被害に遭った女性がJNNの取材に応じ、こう訴えました。

被害を受けた別の女性
「人生を壊す行為で、名誉毀損や侮辱では済まされない。えん罪を生み出した側の罪を問えるようにして欲しい」

動画を見て、女性が違法行為をしたと信じ込んだ人から中傷の書き込みもあったといいます

被害を受けた別の女性
「えん罪であっても一度出された動画は消えず、デジタルタトゥーとして残る。動画を見た人は、犯行現場がはっきりと写っていないものに関しては動画の内容が正しいのか良く考えてほしい」

■“私人逮捕” 正義のため?再生回数?

藤森祥平キャスター:
“私人逮捕”とは「犯罪が100%明白である状況なら、警察ではなく一般の人も相手を身柄拘束できる」というものです。

<ひったくりの犯人が逃げているケース>
※被害者が「あの人が犯人」と指をさして、その言われている人を追いかけるケース

逃走の恐れがある場合、ある程度の実力行使はありえます。ただ、必要以上の物理的な力を行使すると「暴行罪」になることもあります。

また、その犯罪の様子や逃亡している状況を撮影した場合、それを晒すことは「名誉毀損」に該当する可能性があります。
名誉毀損は、不特定多数に社会的信用を低下させるような事実を提示することにあたります。モザイクを“かけている” “かけていない”は関係が…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20231114-6121213)

#news23 #私人逮捕系ユーチューバー

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