悪質なホストクラブの取り締まり強化へ向け、国会で議論が始まりました。番組は、ホストから「結婚しよう」と声を掛けられるなどして、5000万円を貢いだという女性に話を聞きました。
■借金返済のため…“立ちんぼ”
路上の至る所に女性が立っています。それに対し、男性がひっきりなしに声を掛けるという状況になっています。異様な光景が広がっています。
9日午後7時ごろの東京・新宿区の大久保公園周辺の様子です。壁にもたれかかり、スマホを操作する女性。いわゆる“立ちんぼ”といわれ、男性から声を掛けられるのを待っています。
男性が女性のもとに近づき、何やら話をしています。金額の交渉などを行っているのでしょうか。男性が先に歩き始め、女性も男性についていくような形でこの場を後にします。
警視庁は9月に大久保公園周辺などの取り締まりを行い、21歳から46歳の女35人を売春防止法違反の疑いで逮捕しました。
なぜ“立ちんぼ”をしたのでしょうか。警視庁によると、逮捕された35人のうち実に4割の理由というのが、「ホストなどに入れ込み、ツケの返済や遊興費を稼ぐためにやった」ということです。
ホストクラブでは、客の飲食代などをホストが一時的に立て替え、後払いさせる「売り掛け」というシステムがあります。
支払い能力のない若い女性客に多額の借金を背負わせ、返済のため“立ちんぼ”をさせたり、風俗で働かせたりする悪質なホストクラブもあるといいます。
■ホストクラブ客と店員トラブル
番組は、男性からの声掛けを待っている女性に話を聞くことができました。
女性:「(Q.きょうは何をしに?)カフェのパパ活みたいな感じ。カフェで食事をして、お小遣いをくれる人を探している」「(Q.ホストクラブで借金作っている人は聞いたことある?)あるある」「(Q.何割くらい?)8割くらい。この辺(の人は)みんなホスト狂い。ホストクラブに行ってない人なんて、あまり聞いたことがない」
ホストクラブの客と店員といえば、5日に事件が起きました。
女:「お前、人のことぶっ壊して、なめてんなよ、こら」
カッターナイフで刺されたホストクラブの店員と女は、過去に交際していたといいます。刺した女は、多額の金銭を貢いでいたと思わせる言葉を吐き捨てていました。
女:「私のお金絞り取る気でふざけるな」「1000万円以上、使ってるんだよ」
■「5000万円使った」女性も
先ほど話を聞いた女性は以前、風俗で働きながらホストに入れ込んでいたといいます。
女性:「(Q.一番多い時は?)(月に)260万円とか。いつか結婚しようって、恋愛に引っ張ったり同居したり」「(Q.お金はお店でも私生活でも?)自分が全部出すって感じ」「(Q.ホストに今までどれくらい?)5000万円くらい」「(Q.どのくらいの期間で?)2、3年くらい」「(Q.“沼って”しまう?)かっこいいし、トークもうまいし、営業もしてくるから、行きたいなって気持ちになる」
■専門家「実態調査し法整備を」
9日、国会では、悪質なホストクラブ問題が取り上げられました。
立憲民主党 塩村あやか参院議員:「返済能力のない若年女性に多額の売り掛け、借金をさせることに倫理的な面を含め問題はないのか」
松村祥史国家公安委員長:「借金の返済のために、女性が売春するなどの事例があることを踏まえますと、このようなおよそ返済困難な売り掛けをさせることは、私も常識的に考えて問題ではないかと考えている」
専門家は、実態調査をしっかりしたうえで、法整備が必要だと指摘します。
若狭勝弁護士:「ホストとお客さんとの間の売掛金を取り消すことができると、消費者契約法の中でもう少し具体的あるいは言葉として文章として明確にするような改正が、今後される必要性が出てくるかもしれない」
(「グッド!モーニング」2023年11月10日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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