「娘は何度も助けを」宝塚歌劇団の劇団員死亡…遺族側は『長時間労働・パワハラ』主張(2023年11月10日)

宝塚歌劇団の劇団員の女性が自殺した問題。華やかな舞台の裏で一体何が起きていたのか。11月10日、遺族側の弁護士が会見を開きました。

 (遺族のコメント代読)「娘の笑顔が大好きでした。その笑顔に私たちは癒やされ励まされ、幸せをもらってきました。けれどその笑顔は日に日になくなっていき、あの日変わり果てた姿となり、二度と見ることができなくなってしまいました。どんなつらいことがあっても舞台に立っている時は忘れられると娘は言っていました。けれど、それを上回るつらさは、忘れられる量をはるかに超えていました」

 今年9月、兵庫県宝塚市のマンションで、宝塚歌劇団の劇団員の女性(25)が自殺しました。遺族側は2つの大きな原因があったと主張しています。

 1つ目の原因は長時間労働です。女性は「宙組」に所属。入団7年目で下級生をまとめる責任者も任されていました。しかし、秋の本公演と新人公演に向けた準備で、膨大な仕事量が発生。今年8月中旬から亡くなる前日(9月29日)まで実質休日なしで働き続け、睡眠時間は毎日3時間程度だったといいます。

 そしてもう1つの原因は上級生からの“パワハラ”。

 (遺族の代理人 川人博弁護士)「『前髪をまいてあげる』ということで、ヘアアイロンを被災者(死亡女性)の額に当て、やけどを負ったという事件がありました。上級生のほうから『下級生の失敗はすべてあなたのせい』『マインドが足りない』『マインドがないのか』『うそつき野郎』などの暴言を受けた。パワーハラスメントに該当するということは明らか」

 代理人弁護士によりますと、2021年8月、女性は上級生からヘアアイロンを額に当てられ、やけどをしました。週刊誌報道を受けて今年ようやく行われた劇団からの聴き取りに対して、女性は当時のことを説明しましたが、劇団は「報道は事実無根」とする声明を発表。さらに上級生から暴言も受けました。

 (川人博弁護士)「この劇団における『縦の関係』の過剰なまでの重視という問題を弁護士としては指摘せざるをえない」

 歌劇団は外部の弁護士を中心とした調査委員会を設け、劇団員への聞き取りなどを行っていますが、遺族は歌劇団側に謝罪と適切な補償を求めています。

 (遺族のコメント代読)「劇団は、娘が何度も何度も真実を訴え助けを求めたにもかかわらず、それを無視し、捏造・隠ぺいを繰り返しました。常軌を逸した長時間労働により娘を極度の過労状態に置きながら、これを見て見ぬふりをしてきた劇団が、その責任を認め謝罪すること。そして、指導などという言葉では言い逃れできないパワハラを行った上級生がその責任を認め謝罪することを求めます」

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▼厚生労働省の自殺対策ホームページ:https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/
上記以外にも、厚生労働省が様々な相談方法や窓口を紹介しています。SNSを通じた相談窓口もあります。

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