先天的な顔のあざが理由でいじめなどの困難にぶつかってきた女性が、外見上の悩みを持つ人たちの会を立ち上げ、活動を続けている。そっと支えてくれる人たちの後押しを受け、10年目を迎えた。和歌山県有田市の氏家志穂さん。生まれつき顔の右半分に赤っぽいあざがある。スタージ・ウェーバー症候群という難病だ。合併症で右目の視力は下がり続け、今ではほとんど見えない。
2007年に「痣(あざ)と共に生きる会 フクローバー」を設立。好きな鳥であるフクロウと、幸運を示す四つ葉のクローバーから名前をつけた。気の向いた人がその都度集まって意見を交わす、ゆるやかなグループ。人数は流動的で、社会的な地位も考えもばらばらだ。関西を中心に、千葉県などからも集う。「外見に悩みを抱える人がもっと明るく、堂々と生きられる社会にしたい」。会報や講演で訴え、活動は今年で10年を迎えた。
この間に結婚と出産を経験した。夫で整体師の長谷川好和さんは視覚に障害がある。出会ったころ、あざのおかげで顔が認識でき、好意を持ったという。今は全盲となったが「あざがあるからこそ、お前と結婚したんや」と話す。7歳と2歳の男の子は、小さな手でぺたぺたあざを触り、「ママ、かわいい」とキスしてくれる。
powered by Auto Youtube Summarize