イスラエル軍がガザへ“限定的な地上侵攻”開始 「避難中に急襲」何が?(2023年10月14日)

イスラエル軍は、「テロリストと武器の脅威を排除し、人質の居場所を突き止めるためにガザ地区を急襲した」と発表。ガザ地区で“限定的な地上作戦”を行ったことを明らかにしました。

“土地を巡る争い”が続いてきたこの地域では、ユダヤ教を信仰するユダヤ人国家「イスラエル」と、主にイスラム教を信仰するアラブ人が住む「パレスチナ自治区」が対立。このうち武装組織ハマスが実効支配しているのが「ガザ地区」です。東京23区の6割に満たない面積に、およそ220万人が密集しています。

■新たな退避期限も終了 “110万人”は避難可能?

イスラエル軍は日本時間13日、ガザ市に住むすべての住民に向け、24時間以内にガザ地区の南部に退避するよう通告。その期限を迎えた14日、新たな退避期限が設定されました。それまでイスラエル軍は、指定のルートでの退避には危害を加えないとしていますが、対象者は110万人にのぼります。

しかし、この間もイスラエル軍はガザへの激しい空爆を続けています。ガザ地区のこれまでの死者は2215人にのぼり、多くの子供も含まれるといいます。イスラエル軍は今後数日以内に、ガザで“重要な軍事作戦”を実行するとしています。

アメリカのブリンケン国務長官は、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談。民間人の安全確保に向けた人道回廊の設置などについて協議しました。

■ロイター通信のカメラマン死亡

パレスチナ自治区は二つに分かれていて、ヨルダン川西岸地区を“穏健派”のアッバス議長をトップとするパレスチナ自治政府が統治。ガザ地区をイスラム組織ハマスが実効支配する分裂状態が続いています。

武力衝突が起きているのは、ガザ地区だけではありません。レバノン南部では、イスラム教シーア派組織「ヒズボラ」がイスラエル軍と散発的な戦闘を繰り返しています。ロイター通信は、当時イスラエル国境付近で中継していたカメラマンのイッサム・アブダラさんが死亡したと発表しました。「イスラエル側の砲撃」が直撃したとみられ、他に6人のジャーナリストもケガをしたということです。

■世界各国で抗議「パレスチナに平和を」

イスラエル軍が地上侵攻も辞さない姿勢を強める中、ハマスは集団礼拝の金曜日を“怒りの日”と名付け13日、世界中のイスラム教徒に抗議行動を呼びかけました。

イラクの首都バグダッドでは、数万人が集まる大規模な礼拝の場でパレスチナ支持を訴えました。フランスでは、パリの中心街に大勢の人が集結。警官隊と衝突する場面も。

■退避の日本人「恐怖で甥っ子は喋れなくなった」

イスラエルでは「ハマス」による攻撃も続いていて、これまでに少なくとも1300人が死亡したということです。また、ハマスは100人以上を人質として拘束しているとみられます。

こうした中、イスラエルから国外へ退避する動きも加速しています。国外退避のため派遣された韓国軍の輸送機は、14日未明にテルアビブを出発。韓国人に加え、日本人51人、シンガポール人6人を乗せているということです。

韓国などが手配した航空機は自国まで無料で乗ることができる一方、日本政府のチャーター便は有料(3万円)かつドバイまでです。

イスラエル在住 ベンハイム美穂子さん
「チャーター機はまずドバイまでしか行かなくて、万が一ユダヤ人の主人も一緒にチャーター機にのって避難するとなった場合に、アラブ圏には彼はちょっと立ち寄りたくないっていう風な気持ちが強いので、その便で家族を返すという選択はなかったようです」

イスラエルに住む美穂子さんは直行便で日本に行くために、政府のチャーター機には乗らず、自力で航空券を手配したといいます。今回、美穂子さんと子どもは日本へ、夫はイスラエルに留まるため、最後の夕食を共にしました。

義理の兄の家族は、野外音楽フェスをハマスが急襲し260人以上が殺害された場所の付近に居合わせたといいます。

イスラエル在住 ベンハイム美穂子さん
「息子と同じ年の甥っ子なんですけど、喋れないんですよ。もう喋れないし、食べれないんですよ、もう。言葉にできないものを子供たちが見てるということで。義理のお父さんに昨日言われて、今朝、私たちも日本へ帰る決断をしました」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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