ジャニーズを象徴してきた本社の看板。社名変更を前に看板の撤去が5日から始まりました。会見を巡り、波紋を広げているのが「NGリスト」の存在です。会見を運営した会社が、このリストの作成を認めました。
■ジャニーズ“象徴”撤去始まる
その象徴ともいえる看板が本社ビルから外されます。
故ジャニー喜多川元社長による性加害問題を巡り、「ジャニーズ」という名称は61年の歴史に幕を下ろすこととなりました。
■ジャニーズ会見「NGリスト」
目に見える形で変化していくなか、新たに分かったのが記者会見でのNGリストの存在です。
東山紀之社長(57):「すべてジャニーズと付くものはなくなります」
2日に行われたジャニーズ事務所の記者会見。
司会:「ちょっとお待ち下さい。今、全体をいっていますんで。落ち着いていただけますか。すみません、申し訳ない」
記者:「フェアじゃない。ちゃんと当てて下さい」
司会:「いえフェアです。ちゃんと全体を見ていますから」
記者:「これでは茶番だと思う」
司会:「いえ、全く茶番ではないです」
質問は1社1問。しかし、手を挙げてもなかなか指名されないことにいら立ち、記者たちが騒然となる場面が何度もありました。司会から当てられる前にマイクなしで質問する記者も…。
東山紀之社長:「補償はスタートさせていただきます」
記者:「東山さん、性加害についてやったかもしれないし、やらなかったかもしれないという半ば認めた発言をされました。あれから時間が経ち、きちんと…」「さっきの話は何だったんだよ、さっきの話は」「会見、回して下さい」「司会、ちゃんと回せよ!」
■顔写真も 会見直前スタッフの手に
会見が始まる10分前、会場を横切る運営側のスタッフ。その手に持っていた資料には不鮮明ながら顔写真が並んでいるように見えます。その資料を持っていたスタッフが会場に座る記者の方を何度も確認し、うかがっているようにも見えます。
関係者によりますと、運営者が持っていたリストには優先的に指名する質問者と指名を避ける質問者の両方の名前が記載されていたといいます。
■「顔を見て外された」記者怒り
フリージャーナリストの鈴木エイト氏もジャニーズの会見場で手を挙げ続けましたが、指名されるとはありませんでした。
ジャーナリスト 鈴木エイト氏:「次こそは自分という感覚の時が何回かあったが、当てられなかった。恐らく、ちゃんと顔を見たうえで外されたのではないかという違和感」
■「すごく探している」“違和感”語る
また、オンラインメディア「ArcTimes」の尾形聡彦編集長も意図的に指名されなかったのではと訴えます。
ArcTimes 尾形聡彦編集長:「(司会者が)こうやって見てる。これはいくら何でもおかしいなと。2時間以上前に来て待っているのに、その人たちを当てずに最後の方に来た奥にいる人を当て、すごく探しているので変だなと思った」
尾形編集長は会場の最前列で何度も手を挙げたといいますが、当てられることはなかったので指名を受けずに質問。さらに、訴えます。
尾形氏:「当てていただけないでしょうか」
司会:「発言なさったので他の方にいきます」
記者:「発言させないってどういうことですか」
司会:「いえ、今、質問されました」
尾形編集長は9月に行われた1回目の会見での質問が原因ではないかと推測します。
ArcTimes 尾形聡彦編集長:「誤解を招く行為があったかもしれないと(東山社長が)自分で思っているとすれば、これは性加害が繰り返されていた、構造的に繰り返されていた可能性を示しているが、そういう面においてご自身がその一部になっていたかもしれないものについて、それを直すこと、その性加害がなくしていくことができるのか、それを今、社長になったということをどういうふうに説得していくのか、自分が適任なのかということを教えていただけないでしょうか」
東山紀之社長:「今後はそれをやっぱり反省し、そのうえで皆とともに歩んでいきたい」
一方、鈴木氏は前回の質問ではないと考えています。
ジャーナリスト 鈴木エイト氏:「自分が会見の前に(メディアで)被害者の方々の逸失利益であるとか、圧力とセットになっているのではないかとか、補償の面、かなり踏み込んで指摘をした。恐らくそういうものを加味して、今回の会見でジャニーズ事務所が触れられたくない質問だったのではないかなと予想はできる」
■“NGリスト”ジャニーズ関与否定
NGリストの報道を受け、ジャニーズ事務所は関与していないと回答しつつも、事前に会見の運営会社がメディアのリストを持ってきて「NG」という文字があったと認めました。
ジャニーズ事務所のコメント:「弊社は、会見前々日に本件について会見を委託したコンサルティング会社と打ち合わせを致しました。その時にコンサルティング会社がメディアのリストを持ってこられて、そこにNGと言う文字があったので井ノ原が『これ、どういう意味ですか?絶対当てないと駄目ですよ』と言いました。その時に会見を委託したコンサルティング会社の方は、では当てるようにします。と答えました。そのやり取りをその場にいた役員全員が聞いております。ですから今回、流出したと言われている資料は弊社の関係者は誰も作成に関与しておりませんし、指名をしない記者を決めるなども全く行っておりません」
■意図は?コンサル“作成”認める
NGリストを作成したのは運営を委託された「FTIコンサルティング」。どのような意図で、またどこからか指示があったのでしょうか。FTIコンサルティングは新たにコメントを発表しました。
FTIコンサルティング:「この資料は限られた会場使用時間のなかで会見の円滑な運営準備のために弊社が作成し、運営スタッフ間で共有したもので、ジャニーズ事務所様は作成や運営スタッフへの共有を含め一切関与しておりません」
リストはFTIコンサルティングが独自に作成し、会見場での使用に関してはこうコメントしています。
FTIコンサルティング:「会見の進行においては、こうした資料にかかわらず、登壇者、司会者の判断のもと幅広い媒体の記者の皆様にご質問頂くこととし、貴重なご意見を頂戴したところです」
しかし、結果として不満の声が上がったのも事実。
ジャーナリスト 鈴木エイト氏:「全体として、こういう色んな落ち度があった会見が行われたという事実だけが抽出されて、今回も失敗に終わったんじゃないかという認識」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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