学校の対応遅い…高校生が『ユーチューバーにいじめ相談』反響を呼び第三者委が調査へ(2022年3月29日)

高校生がユーチューバーにいじめを相談したことをきっかけに教育委員会が動き始めました。

 今年1月、動画投稿サイトYouTubeで公開された動画。高校でいじめの被害を受けた男子生徒と、その相談を受けたユーチューバーが、学校側に話し合いを求める様子などが収められていて、これまでに約200万回再生されています。

 尼崎市教育委員会によりますと、市内の高校に通う男子生徒は、学校行事に絡んでいじめを受けて、去年2月に学校に相談しましたが、その後、登校できなくなったということです。市教委は去年8月、生徒が置かれた状況を「重大事態」として学校主体の調査を始めましたが、男子生徒は学校の対応が遅く進展がないと感じユーチューバーを頼りました。

 (ユーチューバー「超無課金」 石田拳智さん)
 「高校2年生で学校に行けていない。今17歳で、そううつ病状態。でも学校に行きたい。そこだけが強く頭に残っています」

 2人はいじめの加害者と話をしようと男子生徒の通う高校を訪ねます。教頭らと話をしたものの、やり取りの中で被害生徒と向き合っていないと感じたといいます。

 【天才むかたんチャンネルより】
 (教頭B)「それで時間かかったのはほんまに申し訳ない話も今日せなあかんという」
(むかたん)「申し訳ないの一言で8か月9か月延ばせるんだからいいじゃないですか」
 (教頭B)「傷つけ合う状況にはなってほしくないのが教育の現場なんです」
(むかたん)「だから片方が傷つけている状況でも別に仕方ないと?何月には通常の登校ができているのが理想なんですか?」
 (教頭A)「いまそのことについては話できていません」

 この動画が投稿された後、動画を見た同じ高校の別の生徒からも“いじめ被害が理由で退学した”と連絡があったということです。こうした反響について動画を投稿したユーチューバーの石田さんは次のように話します。

 (ユーチューバー「超無課金」 石田拳智さん)
 「人に知ってもらうきっかけ。これがたまたまYouTubeでアップロードされていますけれど、1人でも多くの人にこの現状を知ってもらって、その動画を見て救われる人たちが出てくるといいなと僕は思っています」

 尼崎市教委は、YouTubeの動画の反響も理由の1つとして、3月22日に第三者委員会を設置。夏ごろまでに調査報告書をまとめたいとしています。

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