【解説】カメムシ大量発生!?  今年は好都合な天候  “悪臭被害”避けるには…『知りたいッ!』

カメムシが大量発生し、全国各地で農作物への被害が出ています。

・27都道府県で注意報
・梨が危ない!
・洗濯物に注意

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

   ◇

■27都道府県に“カメムシ注意報” 農家に注意喚起
8月1日時点で、27都道府県に“カメムシ注意報”が発表されています。これは、平年よりもカメムシが多くなるおそれがある場合に、都道府県ごとに発表されるものです。

主な目的は農作物への被害を抑えるためで、農家に向けた注意喚起です。カメムシには、稲につくものと、果物につくものがいて、どちらか、もしくは両方の注意報が出ているというのが、27都道府県となっています。

■広島県は「過去10年で最多」 農園では1日1回見回り
例えば、広島県では今年、平年を大きく上回る発生状況で、「過去10年で最多」となっています。

地元の果樹園では、対応に追われています。

広島・三次市で梨を栽培している「栗原農園」では、“カメムシ注意報”を受けて、見回りを強化していました。過去にカメムシの被害にあった苦い経験があるそうで、梨にかぶせている袋をはがして、カメムシがついていないか一つ一つ調べていました。

栗原農園 栗原大介さん
「(カメムシが付いた梨を)切ってみたら硬いスポンジみたいになっていて、商品としての梨には出せないですよ」

8月中旬の収穫まで、最低でも1日1回は見回りをしないといけないそうです。

■カメムシ “大量発生”2つの理由 今年は数が多い「表年」
カメムシが梨を食べるのには、理由があります。害虫の研究をしている、山口県農林総合技術センターの溝部信二・専門研究員に聞きました。

大量発生の主な理由は2つあって、1つめは「表年」であることです。カメムシの発生数というのは、1年おきに増えたり減ったりする傾向にあるそうです。数が多い年が「表年」で、数が少ない年が「裏年」となっていますが、今年は「表年」にあたるということです。

この表と裏の周期というのは、カメムシのエサとなるスギやヒノキの実が、豊作である年と、不作である年の周期と、おおむね同じだということです。実が豊作だと、カメムシは山からおりてきませんが、不作だと、エサを求めて果樹園などにやってくるということです。

■高い気温と少ない雨…カメムシに「好都合な天候」
さらに、今年はもう1つ、ほかの要因も重なってしまいました。

梅雨の前から気温が高く、雨が少ないことです。先ほどの溝部・専門研究員によると、「カメムシは気温が高いと活発になり、生育が早い。そして、雨が少ないと病気にならない」ということで、つまり今年は、カメムシにとって好都合な天候ということです。

■好きなのは洗濯物 つかもうとすると“悪臭”
カメムシは家の中に入ってくることもあります。そうなると特に嫌なのは、カメムシが出す悪臭です。

悪臭の原因というのは、危険を感じた時に放つ分泌液で、その臭いの強さは、カメムシ自身がショックで死んでしまうこともあるほど強烈だといわれています。

その悪臭被害にあわないために、カメムシが寄ってきやすいものを知っておきましょう。

害虫駆除などを行うダスキンによると、カメムシは洗濯物が好きだそうです。カメムシは白い色を好む傾向にあって、暖かいところも好きだそうです。そのため、シャツなど、白い洗濯物を太陽にあてて干していると、寄ってくるということです。

もちろん、白い洗濯物を干してはいけないわけではありません。見つけたら、素早く払いのけるということがポイントです。ゆっくりつかもうとすると、「敵だ!」と思って悪臭を放ってしまうので、払う時の素早さというのが大切になってきます。スピード勝負です。

■わずか「2ミリの隙間」で家の中に…対処法は?
さらに、特徴としておさえておきたいのが、カメムシが通り抜けられる幅です。実は、2ミリ程度の隙間があれば、カメムシは家の中に入ってくるということです。2ミリというと、だいたい500円玉の厚みぐらいの幅です。

いつ入ってきてもおかしくないということで、どう対処すればいいのか。

・殺虫剤
カメムシ専用のものや、家の中に侵入しないように、窓枠などにあらかじめ噴射するというものもあります。

そして、粘着テープを利用するのも効果的です。素手で触らずに、丸めて捨てられます。ティッシュの場合、丸めても、また隙間から抜け出すおそれがあるので、粘着テープだと、くっついている状態で捨てられるということで安心です。

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カメムシが飛び回るピークというのは秋なので、まだしばらく注意が必要になりそうです。
(2022年8月2日放送「news every.」より)

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