東京都が低所得世帯向けに無料で配布した米が、ネット上で転売されています。「転売禁止」という袋の表示を塗りつぶしたものもありました。
■「食べきれない」米が山積み…税金の無駄遣い?
東京・目黒区にある教会の敷地内の一角。そこに積み上がっていたのは、大量の米です。
フードバンク目黒 平瀬栄治代表:「ここに600キロ以上はあると思う」
この大量の米を管理しているのは、生活が困窮した人などに対し、定期的に食品の無料配布を行っているフードバンクです。
平瀬代表:「食べきれないんで、活用して下さいと。そういう声が圧倒的に多い」
実はこの米は、東京都が住民税が非課税の低所得世帯向けに配布したものです。今年2月末から「東京おこめクーポン」を配り、米25キロなどと引き換えられるという取り組みで、先月まで受け付けていました。
しかし、実際にもらった人にとっては、食べきれない人たちがフードバンクに持ち込んでいるのです。
目黒区に住む女性(50代):「母の名義で届いたもの。今、施設に入っているので、母は食べることができない」「非課税世帯だけに本当は欲しくないものまで送ってくるというのは、税金の無駄遣いではないかなと感じている」
■「転売禁止」も…大量出品 都担当者「残念」
無償で配った米が、大量に余ってしまっているという実態。問題は、それだけではありません。
袋には「転売禁止」と書かれていますが、フリマサイトを見てみると、無料で配布された米が大量に販売されています。
しかも、ほどんどが売り切れになっています。1袋1000円から1500円ほどで取り引きされているようです。
中には、「転売禁止」と書かれた部分を黒く塗りつぶしたものや、袋の角度を変えて見えないようにして出品されたものもありました。
この状況について、東京都の担当者はこうコメントしています。
東京都 生活福祉部の担当者:「物価高の影響を特に受けやすい低所得者に、食材を届けることで生活の安定を図るのが目的の事業です。家庭で役立ててほしいとの考えから転売禁止としました。転売の実態は、事業の趣旨に鑑みて、残念に思います」
都はサイトの運営会社に趣旨を説明し、削除依頼をしましたが、「転売禁止」という取り決めは法律や条例で定められたものではないため、削除は行えないとの返答を得たといいます。
サイトの運営会社は、こうコメントしています。
フリマサイトの運営会社:「出品禁止物の基準については、社会情勢の変化や皆様との対話を踏まえて、必要な場合は見直しを行っております」
(「グッド!モーニング」2023年9月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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