「やりましたでいこう」実弾紛失で警察官に『限度超えた違法な取り調べ』県に賠償命令(2023年8月31日)

拳銃の実弾を盗んだと濡れ衣を着せられた警察官。奈良県に約297万円の賠償命令が下されました。

 【取り調べの音声】
 (取調官)「時間かけてもしゃあないからな。どうせアウトやからな。ほんまアウトやねん。はっきり言うたらな、もうお前やねん」

 これは実際に行われた取り調べの際の音声です。去年1月、奈良県警奈良西署が保管していた実弾5発を紛失したと発表。直前に拳銃庫を点検していた男性巡査長(20代)は実弾を盗んだ疑いをかけられ、連日、長時間にわたり自白を強要する取り調べを受けました。

 【取り調べの音声】
 (取調官)「やりましたでええわ。やりましたでいこう、ほんなら」
 (男性巡査長)「やりましたって、とった記憶がないんですもん。そっから(捜査が)進まないじゃないですか」
 (取調官)「ええよ、しゃあない」

 男性巡査長は自宅を家宅捜索され、取調官から人格も否定されました。

 【取り調べの音声】
 (取調官)「お前は性格というか、そういう人間というか、なんていうかな、ほんまやったらグレーやもん、病気に近い」

 しかし半年後、奈良県警は担当者の手違いで5発少なく配っていて、そもそも銃弾の紛失はなかったと公表したのです。

 男性巡査長は違法な取り調べを受けうつ病を発症したなどとして、奈良県警を所管する県に対して慰謝料など約820万円を求める訴えを起こしました。これまでの裁判で巡査長側から「違法な捜査を認め謝罪すること」などを条件とする和解案などが提出されましたが、決裂していました。

 そして今年8月31日の判決で奈良地裁は「原告を人格的に非難し心理的に追い詰め、執ように自供を迫った限度を超えた違法な取り調べである」などとして、県に対して約297万円の支払いを命じました。

 (原告側 松田真紀弁護士)「なぜ疑われなくてもいい方が疑われてしまったのか、拳銃の実弾の管理は適正だったのか、これからどのようにしていくのか、そこについてしっかり検証していただきたい」

 判決を受けて奈良県警は「この度の判決結果を真摯に受け止め、再発防止に努めてまいります」とコメントしています。

▼MBS NEWS HP
https://www.mbs.jp/news/

▼最新ニュースや特集を毎日配信 チャンネル登録お願いします!
https://www.youtube.com/c/MBSnewsCH?sub_confirmation=1

#濡れ衣 #警察官 #奈良県警 #拳銃 #実弾 #MBSニュース #毎日放送

powered by Auto Youtube Summarize

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事