24日、福島第一原発から処理水が海に放出されました。中国は、日本からの水産物の輸入を全面的に停止すると発表したのに対し、岸田文雄総理大臣は即時撤廃を求めました。
■英研究者など“科学的見地から問題なし”
24日午後1時すぎ、福島第一原発では処理水の排出が始まりました。
1000基余りのタンクで保管されているおよそ134万トンの処理水。
24日、東京電力は放射性物質「トリチウム」が残る処理水を、海水で安全基準の40分の1未満にしたうえで海底トンネルを通じ、1キロ先の沖合で放出しました。
東電は放出する処理水に含まれるトリチウムの濃度を測定。その結果、濃度は1リットルあたり最大63ベクレルで放出基準となる1500ベクレルを大きく下回ったということです。
岸田総理:「海洋放出がよりいっそう透明性の高い形で行われると期待します」
処理水の海洋放出について、IAEA(国際原子力機関)は先月、「国際安全基準に合致していて環境などへの影響は無視できる」とする報告書をまとめていました。
イギリスの研究者などは「放射性物質の濃度が低いため、処理水の海洋放出による健康への危険はない」と、科学的見地から問題はないと分析しています。
■中国政府 日本産水産物を全面禁輸
しかし、放出直後に強い対抗措置を打ち出したのは中国です。日本の水産物の輸入を全面的に停止にすると発表したのです。
中国外務省 汪文斌副報道局長:「中国政府は、食品の安全と中国人民の健康を守るために、あらゆる必要な措置を講じる」
これまで福島県など10都県に限り水産物の輸入を停止していましたが、それを拡大しました。
■中国で「海水塩」品切れ…岸田総理「即時撤廃を」
中国国内では異変が起きていました。
スーパーでは、ある商品の棚が空っぽになっていました。女性が買い占めているのは海水塩です。処理水の放出を受けて、早めに在庫を確保しようとする動きが出ています。
中国のSNSでは、「今朝パニックになっている人たちを見て、10パック注文した」などの声が上がっていました。
中国に対し、岸田総理は次のように述べました。
岸田総理:「外交ルートで、先ほど中国側に対して、即時撤廃を求める申し入れを行いました」
政府は風評被害対策などに800億円の予算を計上しています。
(「グッド!モーニング」2023年8月25日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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