中国・超高層ビル異変 建設中断相次ぐ…「理不尽だ」購入者が悲痛訴え 日本に影響も(2023年8月14日)

 中国の経済成長を支えた不動産業界に異変が起きています。超高層ビルを含めた建設の中断が相次いでいて、日本への影響も懸念されています。

■止まってしまった工事 このビル以外にも…

 中国・天津市に、ひときわ高くそびえる超高層ビル。117階建てで、高さは、日本一高い「麻布台ヒルズ」の倍近くある597メートルです。

 ビルの真下まで来て、改めて見るとすごい迫力です。上の方に行くと、まだ壁が張られていないのが分かります。一番上にはクレーンがありますが、止まってしまっています。この日は平日の金曜日ですが、工事をしている様子は全くありません。

 止まってしまった工事。しかし、このビルだけではありませんでした。

 巨大なビルの向かい側には、同じ業者が開発していたのでしょうか、たくさんのビルの建設が止まってしまっています。骨組みがそのままにむき出しになっているビルもあります。

■不動産業界の異変 対策講じるも効果見えず

 上半期の中国の不動産投資は、「ゼロコロナ」政策で買い控えが進んだことなどから、マイナス7.9%と大きく落ち込みました。

 そのため、業者の資金繰りが悪化。建築が途中でストップしたビルやマンションが続出しているのです。

 このマンションは4月末に引き渡し予定でしたが、まだ完成していません。購入した男性に、話を聞くことができました。

 未完成物件の購入者:「私は金を払って『モノ』を買ったんだ。ジュースや野菜ではなく、『4000万円の部屋』だ。たくさんの金を払ったんだから、その『モノ』を私に引き渡してほしい」

 SNSには、このマンションを買った人の悲痛な抗議の音声が残されていました。

 抗議する男性:「俺は3000万円払って家を買った。それなのに建ててくれない。ほったらかしだ。理不尽だ」

 中国の経済成長を支えた不動産業界の異変。中国政府は、不動産業者への支援などの対策を講じていますが、効果は見えていません。

■専門家「雇用・賃金弱く…消費者に悪い影響も」

 気になる日本への影響は…。

 野村総研 エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏:「中国の不動産不況は、まだ数年続くと思います。日本にとって中国というのは、最大の輸出相手国なので。輸出が悪化するということを通じて、例えば雇用が弱くなるとか、賃金が弱くなるとか。そういう形で、消費者に悪い影響が出てくるという形になりやすいのでは」

(「グッド!モーニング」2023年8月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

powered by Auto Youtube Summarize

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事