【予報士解説】台風6号「危険半円」に要警戒…災害級大雨前に“3つの満タン”を(2023年8月7日)

 台風6号は、奄美地方が暴風域に入ったままゆっくりとしたスピードで北上を続けています。気象予報士の今村涼子さんに解説してもらいます。

 2019年の台風15号の被害を受けた方々に対しての取材を通じて、被災時にどのような対策が必要だったかを紹介します。「あれをしておけばよかった」という教訓がいくつか浮かび上がったといいます。

■台風の影響広がる…九州が危険半円に入る可能性大

 7日、台風6号が発生してから11日目になります。先週からほとんど大きく場所が変わっておらず、長引いている状況です。

 8日以降、ようやく北上傾向となりますが、新たな台風が発生する予想も出てきました。熱帯低気圧が8日にも台風7号になる予想で、その後の進路は、まだ予報円は大きいですが、北上傾向をみせています。

 場合によっては、このまま行くと東日本の南の海上まで進んで影響が及ぶ可能性も考えられます。

 台風6号ですが、7日午後5時現在も奄美大島が暴風域に入っており、既に2日以上、この状況が続いています。8日夜にかけてもこの状態が続く見込みです。

 その後、8日になると、進路は北西方向に向かっていき、9日から10日の前半にかけて九州の西の海上を通過する可能性が高まっています。

 ただ、今回は「ゆっくり」(=時速10キロ未満の速度)進行する特徴があり、速度が上がりません。偏西風が北の方にあるため、全く風に乗れずに、ほぼ「ゆっくり」のまま行きます。

 上陸の恐れは小さくなっていますが、台風の右側(東側)、危険半円に九州が入るため、雨や風が激しい状況が長引くことになりそうです。

 今後、台風が再発達する恐れも出てきています。

■暴風の影響…九州でも停電発生の恐れ

 雨の予想について見ていきます。7日夜から奄美方面には活発な雨雲が断続的にかかり、8日朝にかけても続きます。また、九州方面もすでに湿った風による大雨となっていますが、さらに台風本体の雨雲が8日には急速に近づいてきます。

 8日正午には屋久島・種子島にかかり、8日午後には九州南部、鹿児島県や宮崎県内を中心に活発な雨雲がかかる見込みです。

 猛烈な雨が降る可能性があり、気象庁からは引き続き、「線状降水帯」が発生する可能性があると予測が出ています。8日夜にかけても、奄美と九州南部にかけて雨が続く見込みです。

 線状降水帯が発生すると、一気に災害の危険度が高まります。川が氾濫したりする可能性が考えられます。

 さらに、台風の中心から右側(東側)に強風が吹き込む可能性がありますが、その部分に九州が当たってしまいます。

 最大瞬間風速も九州南部で45メートル、北部で30メートルと、猛烈な風となる見込みです。外出は危険な状況となるため注意が必要です。また、停電リスクなども九州方面で高まると考えられます。

■2019年「台風15号」被災者から聞いたこと「3つの満タン」

 停電や断水なども考えられるなか、やはり今のうちに備えおくことが大切になってきます。

 番組では2019年の台風15号で、実際に被害を受けた方々に取材しました。「これをしておけばよかった」「これが必要だったんだ」という被災者からの声を紹介します。

 当時、主に千葉県内を中心に長時間の停電など大きな被害が発生しました。被害を受けた方々に対して、「何をやっておけばよかったのか?」と取材しました。

 まず1つ目は、携帯電話や予備バッテリーの充電を満タンにしておくことです。今回の台風6号も沖縄では長期間の停電が発生しました。今回も台風の進行が遅いため、長期間の停電の恐れがあります。

 情報が取れなくなるため、スマートフォンの充電は本当に大事です。2019年当時も、避難所で充電待ちの列ができていました。

 2つ目は、車のガソリンも満タンにしておくことです。車内でスマートフォンの充電などができますし、物資が滞った場合にも被害が少ない場所まで移動できます。

 そして3つ目は、停電とともに断水の可能性も考えられるため、お風呂の水もためておき、満タンにしておくことが大切です。

 どれも簡単にできると思いますので、みなさんも今のうちにぜひ対策をして みてください。

(「スーパーJチャンネル」2023年8月7日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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