“質流れセール”外国人が爆買い…売上5億円「日本は中古品レベル高」 円安でお得感も【もっと知りたい!】(2023年6月23日)

 外国人観光客の“爆買い”が復活しています。大勢の外国人が集まっていたのは「質流れセール」。わずか5時間で2200万円を使う人も現れました。

■海外からも…台湾バイヤー「予算6000万円」

 今月上旬、東京・大田区のイベント会場。台風の悪天候にもかかわらず、朝から500人以上が列を作っていました。

 彼らのお目当ては、ずらりと並んだブランド品の数々です。

 16万円以上するのルイ・ヴィトンのバッグが、半額以下のおよそ7万円。エルメスのバッグも、88万円がおよそ44万円に。

 来場者:「すごく安い」「デパートの3分の1(の価格)だと思う」

 これらのブランド品は、いわゆる「質流れ品」。つまり中古です。

 質店の組合が主催するこのイベントは今回で85回目を迎え、バックや時計、アクセサリーなど合わせて10万点以上をまとめて販売します。

 最近では、日本人より海外から来る客の方が多いといいます。

 香港から:「香港です。ブランドバッグを買いに来ました」

 アメリカから:「母が来たいと言っていたので、一緒に来ました」

 シンガポールから:「シンガポールから旅行で来ました」

 そして、海外から来る客の中でもダントツに多いのが、台湾からの来場者です。

 この男性も台湾から来たといいますが、驚くべきはその買い物の点数です。次から次に手に取っては、連れの男性に渡していきます。

 E.V國際精品 陳麒安さん:「(Q.どういう目的で買っている?)私たちは、台湾でブランド品のバイヤーをしているんです」

 陳さんは仲間と共に、台湾からやって来たバイヤー。今回準備した予算はというと、なんと6000万円です。

 陳さん:「6000万円準備しました」

 その資金力を武器に、とにかく買いあさります。

 陳さん:「あれだ!あれを持ってきて!早く行って!」

 慌ただしく指示を出していたのは、ルイ・ヴィトンのコーナー。陳さんによると、台湾ではルイ・ヴィトンが大人気で、仕入れれば必ず完売するといいます。

 そのため、少しでも良いものを他の客より先に手に入れようと必死なのです。

 陳さん:「10万円以下の物だったら、全部買っていいぞ!」

 まさに、爆買いです。

 陳さんたちは、商品をいったん会場の隅に集め、ここで、さらに状態の良し悪しを見極める作戦をとっていました。

■開場20分でほぼ完売「何も残っていない!」

 一方、会場の外にはオープンしてからも長い行列ができていました。

 台湾から旅行でやって来た黄さんと呂さんのカップルは、10時のオープンを目指して来ましたが…。

 黄さん:「朝7時には着いています。5時すぎには(ホテルを)出ました。でも、来た時には、私たちの前に400人以上並んでいました」

 黄さんのお目当ては、ルイ・ヴィトンのバック。その予算は…。

 黄さん:「友達の分も含めたら、120万円くらいです。買ったバッグは、このスーツケースに入れます。入りきらなかったら、手で持って帰るつもりです」

 オープンしてからおよそ20分後。2人はようやく入場できたのですが、ここでまさかの出来事が起こります。なんと、黄さんお目当てのルイ・ヴィトンはほぼ完売していました。

 黄さん:「もう、何も残っていない!」

 会場全体を探し続けますが、気に入ったものが見つからず、黄さんの顔が曇っていきます。

 呂さん:「これは?デザインとかいいし…。もう1つ、赤色のバッグがあるよ。デザインは同じで、赤色のやつ」

 呂さんが他のバッグをすすめますが、黄さんは首を縦に振りません。ついには…。

 呂さん:「もう帰るの?」
 黄さん:「うん」
 呂さん:「これはどう?この色は似合うと思うよ?」

 2人は1時間ほど探し回りましたが、結局、何も買えずに買い物終了となりました。

 黄さん:「少なくとも1、2個は買って帰れると思っていました。友達の分は買えなかったとしても、自分の物は買って帰りたかったです」

■品質に加え…円安で“お得感”も

 それにしても、なぜ台湾から日本にブランド品を買いに来るのでしょうか?

 台湾から:「日本の中古品市場は、レベルが高いと思います。台湾とは違います」「金額が、台湾の半額か3分の1くらいです。日本は本物か偽物かのチェックが厳しいので、安心して買える」「東京にあるような中古品バッグ販売店はありますが、こういう大規模な展示会はないのです」

 品質に加え、最近は円安でお得に買えるといいます。

■3日間で…「5億4000万円」売り上げ

 正午近くなると、会場は多くの客でごった返します。レジには、長い行列ができています。なんと、売り場を一周していました。

 6000万円の予算で台湾から買い付けに来たバイヤーの陳さんたちも、ますます熱が入ります。アクセサリー売り場では…。

 バイヤー仲間:「まだ、500万円あるよ」

 陳さん:「とりあえず、持っていって。500万円で足りるのであれば、支払いをしておいて」

 バイヤー仲間:「分かった」

 ティファニーやカルティエなど、およそ500万円分の貴金属をキャッシュで購入。さらに時計のコーナーでも、次々と選んでいきます。

 バイヤー仲間:「すごく安いです。いっぱい買ったから、もっと高いかと思った」

 171万円分をクレジットカードで購入。陳さんたちは、およそ5時間買い物を続け、その成果は次のようになりました。

 陳さん:「バッグが17箱分と、あとは時計に指輪やネックレスを買いました」

 果たして、その金額は合わせて…。

 陳さん:「だいたい2200万円くらいです。きょうは人が多くて、欲しい物をあまり買えなかったです。また、次の機会に頑張ります」

 3日間行われたブランド品の質流れセール。売り上げの合計は5億4000万円に上り、その多くが外国人によるものでした。

 城南質屋協同組合 福島豊秋理事長:「商売ですから、売り上げがたくさんあったほうが良いわけで。外国の方にもたくさん来てもらい、お買い上げいただければと思います。年2回から3回は、このまま続けていきたい」

(「グッド!モーニング」2023年6月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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