家族に何が「SOS」を発した声も 神戸6歳男児遺体 逮捕の母親が事件前「一時保護して欲しい」

 22日、遺体で見つかった穂坂修(なお)くん(6)の祖母が監禁されていた神戸市西区の自宅前からの中継です。
 (取材・報告=丸井雄生記者)

 祖母が監禁されていた自宅は、修くんの遺体が発見された現場から南に約1キロ離れた場所にあります。すぐ近くには国道やバイパスなどの幹線道路が走る住宅街です。

 逮捕から一夜が明けた、23日午前9時半ごろに捜査員が住宅に検証に入り、約7時間が経った現在も続いて、家財道具やカンなどが大量に運び出されたり、捜査員がベビーカーやベッドなど鑑識活動する様子が確認されました。

 この住宅の1階の押し入れに祖母を監禁し、暴行してケガをさせたなどとして、修くんの母親と母親のきょうだい、あわせて4人が逮捕されました。

 この家に住んでいたのは、遺体で見つかった修くんとその母親、母親のきょうだい3人、そして祖母です。

 そして、午後1時から神戸市と児童相談所が合同で会見を開き、修くんが通っていた保育園が今年4月、修くんのお尻と右肩にアザがあると市に報告していたことが明らかになりました。

 その後、母親から子育ての相談を受けたこともあり、市と児童相談所は一時保護を検討していましたが、祖母や母親らに保護は要らないと言われ、保留していたということです。

 周辺で取材をしていますと、複数の住民から、修くんが母親らに怒鳴りつけられ泣く姿や、ベランダから「助けて」などと叫ぶ姿を目撃していたなどの声も聞かれました。

 この家族の間で一体、何が起きていたのでしょうか。

 今朝、普段静かな住宅街は物々しい雰囲気に包まれていました。

 丸井記者「捜査員らがブルーシートを広げています」

 午前9時半ごろから始まった警察による現場検証。裏手にはテープが巻かれた冷蔵庫が無造作に横たわっていました。

 22日、神戸市西区の閑静な住宅地のほど近くにある草むらから 穂坂修(ほさか・なお)くん(6)が遺体で見つかりました。修くんの遺体はスーツケースに入れられた状態で見つかり、一部が腐敗していたということです。

 警察は22日、修くんの母親の穂坂沙喜容疑者(34)と穂坂大地容疑者(32)、穂坂朝美容疑者(30)、穂坂朝華容疑者(30)のきょうだい、合わせて4人を修くんの祖母を監禁し、ケガをさせた疑いで逮捕しました。

 警察によりますと、逮捕された4人は神戸市西区の自宅で今年3月ごろから今月20日ごろまでの間に祖母を断続的に数十回監禁し、鉄パイプのようなもので複数回殴るなどしてケガをさせた疑いがもたれています

 祖母は自宅の1階にある押し入れに閉じ込められ、外から鍵をかけられていて、逮捕された4人が家からいなくなった隙に逃げ出しました。

 そして、20日の夜、神戸市垂水区の団地の敷地内で車いすに乗ってたたずんでいるのを通行人が発見し、「迷い人を保護している」と110番通報。駆けつけた警察官が保護し、病院に搬送されましたが命に別状はないということです。

 4人は、22日午後3時ごろに三宮センター街付近で発見され、祖母への監禁容疑などで逮捕されました。

 自宅近くの草むらから変わり果てた姿で発見された6歳の修くん。

 近所の人「かわいそうに。そんなん。人懐っこい感じやったのにね。朝、保育所行くときなんか『おばちゃん、こんにちは』って言うねん。朝やから『こんにちは違うよ』って。『おはようございますやで』って言うたら、『へへっ』て笑って保育所行っとったからね」

 一方で修くんが「SOS」を発する声を聞いたという人も…

 「2階から『助けてください』って言っていて、その辺の近所の人が『おばあちゃん、どこ行った?』『おばあちゃん おるやろう』って言って」
 (Q:叫んでいたのは いつぐらい?)「4月ぐらいかな、そんな前ではなかったと思う」

 この日午後、「神戸市こども家庭局」が会見を開き、4月に「修くんのおしりなどにアザがある」と保育園から連絡があったものの、祖母と母親の沙喜容疑者が「心当たりがない」と証言。さらに5月には沙喜容疑者から「一時保護してほしい」などと連絡があったことがわかりました。

 神戸市こども家庭局「保育園から4月24日に子どもさんのおしりと右肩に小さなあざがあると西区役所に連絡が入りました。5月1日に子どもと職員が会って確認したらアザは消えていた」

 その際に「お母さんから子どもさんの育てにくさがあるということを相談され、できたら子ども家庭センターに一時保護してほしいと申し出がありました。約束時間になってもこの日、来られなかったので何度も連絡したが、その日は『本人が行きたくない』という理由で一時保護が保留になりました」

 「6月1日に西区役所が家庭訪問したところ、おばあちゃんが対応されて、『今も家族で(面倒を)見ますから不要です』と返事がありまして、それ以降、一時保護にはいたっていない状況です」

 (Q:周囲を確認すればネグレクトとか危険性は把握できたのでは?)
 「現時点では近隣からの連絡等は確認できていないが、これからこの家庭と、どう関わっていくか方針を検討しているところでした」

 また、修くんの遺体は容疑者4人のうちの1人が警察官を案内し、発見に至ったということです。

 近隣住民が目撃していたのは“不審”な4人組の姿。
 「月曜日の夕方4時半ぐらいに旦那がスーツケースをもった4人組、サングラスをかけた、けったいな4人組がいて…」
 「4人が4人ともフード被って、しかも顔隠して、それ(スーツケース)を引っ張って…」

 警察は4人が修くんの死亡についても事情を知っているとみて、死体遺棄の疑いも視野に入れて捜査しています。

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