映画監督・中島貞夫さん、88歳で死去 京都映画界の顔、作品に「893愚連隊」「多十郎殉愛記」
映画監督の中島貞夫さん、京都・太秦の東映京都撮影所を拠点に活躍し、６３本もの監督作品を生み出した人物として知られ、１１日に８８歳で亡くなったことが分かりました。中島さんは千葉県出身で、自宅は京都市内にあります。密葬は近親者だけで行われました。
中島さんは東京大学の文学部を卒業後、１９５９年に東映に入社しました。京都に配属され、助監督として経験を積んだ後、１９６４年に女忍者ものの「くノ一忍法」で監督デビューを果たしました。
中島さんは従来の明朗で快活な東映の時代劇とは異なる路線を開拓しました。松方弘樹さん主演の現代劇「８９３愚連隊」（１９６６年）で、日本映画監督協会の新人賞を受賞しました。
東映京都のエースとして、中島さんは幅広いジャンルの監督作品で名声を博しました。菅原文太さん主演のヤクザ映画「まむしの兄弟」（１９７１年）、「沖縄やくざ戦争」（１９７６年）、「日本の首領（ドン）」（１９７７年）などや、「木枯らし紋次郎」（１９７２年）や「真田幸村の謀略」（１９７９年）などの時代劇、「序の舞」（１９８４年）などの文芸作品でも手腕を発揮しました。
中島さんは１９８７年に大阪芸術大学で教授に就任し、京都映画祭（１９９７～２０１２年）では総合プロデューサーを務め、２０１４年から始まった京都国際映画祭では名誉実行委員長を務めました。
８０歳を超えてもなお、中島さんは６３本目の監督作品となる「多十郎殉愛記」（２０１９年）など、時代劇の伝統を継承するために力を注ぎました。２００６年には牧野省三賞、２０２０年に日本アカデミー賞会長功労賞を受けた。
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