銃撃事件が相次ぐアメリカですが、銃規制はほとんど進んでいません。学校で子どもたちの命をどう守るのか、模索が続いています。
去年5月、アメリカ・テキサス州の小学校で起きた銃乱射事件。ライフル銃を持った男が学校に侵入。児童19人、教師2人を殺害しました。
事件から1年。銃規制の声は強まり、去年、28年ぶりに法律が作られましたが、殺傷能力の高い銃の販売禁止などは盛り込まれず、抜本的な措置が取られていません。
こうした中、改めて脚光を浴びたのが…
アメリカ トランプ前大統領
「訓練された“教師”が安全に、目立たないよう、“銃を携帯”する時が来た」
トランプ前大統領もかつて言及した「教師の銃携帯」です。全米で初めて「教師の銃携帯」を許可したユタ州では、学校関係者を対象にした訓練が行われていました。
スクリーンに校舎内の映像が投影され、学校で事件が起きた想定で教師らがレーザー銃を手に犯人に応戦します。
通報から警察が到着するまでの時間は「平均3分」とされますが、テキサス州の事件では警察が速やかに突入できなかったこともあり、こうした実践的な訓練への関心が高まっているといいます。
高校教師 ジョセフ・ミッチェルさん
「『教室にいたのに子どもを守ってあげられなかった』と保護者に言う人間にはなりたくない」
現在、全米の30の州が「教師の銃携帯」を認めていますが、一方で、教師の75%が銃の携帯に反対しているとの調査結果もあります。
こうした中、アラバマ州の小学校には全米で初めて、ある装置が置かれました。
記者
「教室の隅にあって、普段はこのようにホワイトボードとして使われているこちらの壁が、子どもたちを守るスペースになるんです」
7秒ほどで避難用の簡易シェルターとなりました。中に子どもたちを避難させ、鍵をかければ、外側からの侵入をシャットアウトできます。
開発したのは、軍事用の防弾シェルターを製造する地元企業で、厚さ5センチほどの壁材には秘密が。特殊な素材が60層以上に高圧プレスされていて、この通り、まったく貫通していません。開発者は…
開発企業の代表 ケヴィン・トーマスさん
「私は政策立案者でも議員でもないが、この国に住む人間として、この国で起きていることを考えることは出来る。私たちが立ち上がる番が来た」
銃規制に進展がない中、テネシー州では今年3月、学校で児童ら6人が射殺される事件も起きています。「政治による変化」を待てない人達が自らできる対策に乗り出しています。
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