フランス・カンヌ国際映画祭で、最高賞を競う部門にノミネートされた是枝裕和監督。JNNとの単独インタビューに応じ、作品の音楽を担当し3月に亡くなった坂本龍一さんの曲は「不可欠だった」と振り返りました。
カンヌ国際映画祭で公式上映が行われた、映画「怪物」。最高賞「パルムドール」を競うコンペティション部門にノミネートされていて、是枝監督にとって2年連続、7回目となります。
上映から一夜明け、是枝監督が出演俳優の安藤サクラさん、永山瑛太さんとともにインタビューに応じました。
是枝裕和監督
「きょう街を歩いていると声をかけてくれる人がたくさんいるので、とてもいいプレミア(初日公式上映)ができたなと実感しています」
上映後続いたスタンディングオベーション。永山瑛太さんはこんなエピソードを語りました。
永山瑛太さん
「エンドロールが流れて拍手が起き始めた時に、是枝さんが(安藤)サクラの手をぐっと握っているのをみて、『はっ』と思って、そしたら僕の手も握ってくれたんです。そのときがとても嬉しかった」
「怪物」は、小学校で起きたある事件が主張の食い違いからおおごとになっていく物語。シングルマザー、教師、子どものそれぞれの視点から事件を描き、「怪物」は何なのかを問いかけています。
脚本を手掛けたのは坂元裕二さん。普段は脚本もこなす是枝監督は、今回のストーリーを絶賛します。
是枝裕和監督
「映画の3分の2が終わっても本当に何が起きているんだか、登場人物もわからないし、観客もわからないっていう構成自体が非常に魅力的で、引き込まれました」
安藤サクラさんは。
安藤サクラさん
「何か訳もわからずに、すごく涙を流してました」
作品の音楽を担当したのは、3月に亡くなった坂本龍一さんです。
是枝裕和監督
「映画の中で3回繰り返した夜の湖をそのロケハンで見たときに、僕の中ではもう『ここで坂本さんのピアノが入るな』と思ったんですよね」
是枝監督は、坂本さんに手紙で音楽を依頼。
すると、手紙で返事がありました。
是枝裕和監督
「(坂本さんが)『体力的に全部の音楽を引き受けることは難しいのですが、(編集後の映像を)見た直後に1~2曲、頭の中に浮かんだイメージがあるので、それを形にしてみますので気に入ったら使ってください』」
映画には、坂本さんが作品のために書き下ろした2曲と、これまで手がけた曲が使われています。
公式上映での観客の表情を見て、監督が改めて感じたこと。
是枝裕和監督
「(観客が)一緒に祝福をしてくれてるような気がしたんですよね。この映画の中で描かれた人間たちとか、この映画が描こうとした世界というものを。そのためにはやっぱり坂本さんの曲というのは本当に不可欠だったなというふうに改めて思いました」
2度目の「パルムドール」獲得となるのか。発表は27日です。
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